Eddystone 840C 修理記録
2022/4/5到着  完成
A. 修理前の状況
  • 機種: Eddystone 840C (AC,DC 110V トランスレス機)
    入手経緯: 昨年5月にオークションで購入いたしました。
    真空管はイギリスから購入したNOS球が3セット分(マジックアイを含む)手許にあります。
    外観、シャーシ上下は大きな傷、埃などなくきれいに見えます。
    ダイヤルに照明を追加することは可能でしょうか。
    構成は5球スーパーに高周波増幅、BFOがついた程度のものですが、機械としての作りのよさと、 低めの内部雑音から信号がすっと立ち上がってくる感じが気に入って1年ほど使ってきました。
  • 修理を希望する箇所
    • 各バンド受信していますが、最近BFOが徐々に効かなくなり、今では全く発振しなくなりました。
      ダイアル指針がローバンドで10kHz程度、ハイバンドで100kHz程度ずれているようです。(最小スケール一目盛分)・ダイヤル指針が少し傾いています。またダイヤルの部を廻すと小さく摩擦音がすることがあります。
      トラッキング等の調整がずれている可能性があります。


B. 原因


C. 修理状況
  • RF増幅、トラッキング、IF回路、MPX回路、修理・調整。
    配線手直し、補強。
    劣化フイルムコンデンサー交換。
    電解コンデンサー交換。



U. TubeTester HickokTV−2B/Uによる真空管測定
D. 使用部品
  • 電解コンデンサ−(オ−デオコンデンサ−使用)        個。
    フイルムコンデンサー                        個。

E. 調整・測定


F. 修理費    ,000円    オーバーホール修理

Y. ユーザー宅の設置状況

S. Eddystone 840C の仕様(マニアル・カタログより)


A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る。
A12. 点検中 前右から見る。
A13. 点検中 後から見る。4個のケース固定ビスを利用してケースを外す。
A14. 点検中 後左から見る。
A15. 点検中 上から見る。天井の蛍光灯が映り込み。
A16. 点検中 ケースから出し、上から見る。
A21. 点検中 下前から見る。
A22. 点検中 下前左から見る。
A23. 点検中 下後から見る。
A24. 点検中 下後右から見る。
A25. 点検中 下から見る。天井の蛍光灯が映り込み。
A26. 点検中 下から見る。ケースを取る為のミゾ右側、もう少し広さ(前後)が必要。
           但し、プロはこれを使用せず後ろからの固定ビスを使用してケースを取る。
A27. 点検中 下から見る。ケースを取る為のミゾ左側、もう少し広さ(前後)が必要。
           但し、プロはこれを使用せず後ろからの固定ビスを使用してケースを取る。
A28. 点検中 ケースから出し、下から見る。
A29. 点検中 ケースから出し、コイルパック・シールドを取り下から見る。
A31. 点検中 アンテナコイルパック。アルミ鋳造ケース入り。
A32. 点検中 RF(段間)コイルパック。アルミ鋳造ケース入り。
A32. 点検中 OSCコイルパック。アルミ鋳造ケース入り。
A41. 点検中 ダイヤル同調機構。
A51. 点検中 バリコン。バリコン回転軸はリンクを介してで回転する。
A52. 点検中 バリコン2。アースは編み線でしっかり取る。
A61. 点検中 ペーパーコンデンサー。
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C11. 修理前 PowerSupply基板
C12. 修理中 PowerSupply基板。トルエン溶媒の接着剤。
C13. 修理中 PowerSupply基板。トルエン溶媒の接着剤、部品の銅線を腐食する。
C14. 修理中 PowerSupply基板。トルエン溶媒の接着剤を取り去り、コートを塗布後。
C15. 修理後 PowerSupply基板。 ゼナーダイオード2個、電解コンデンサー32個交換、黒ミューズが大分使用できました。
C16. 修理前 PowerSupply基板裏
C17. 修理(半田補正)後 PowerSupply基板裏、 半田を全部やり直す。
C18. 完成PowerSupply基板裏。余分なフラックスを落として、コート液を塗る。
C19. 修理前 PowerSupply基板ラッピング
C1A. 修理後 PowerSupply基板ラッピング、半田を浸みこませる。
C21. 修理前 フューズ基板。
C22. 修理前 フューズ基板裏。  
C23. 修理(半田補正)後 フューズ基板裏、 半田を全部やり直す。  
C24. 完成フューズ基板裏。余分なフラックスを落として、コート液を塗る。
C25. 修理前 フューズ基板ラッピング。
C26. 修理後 フューズ基板ラッピング、半田を浸みこませる。
C31. 修理前 RF−MIX基板。
C32. 修理後 RF−MIX基板。 電解コンデンサー6個、半固定VR1個交換 
C33. 修理前 RF−MIX基板裏。
C34. 修理(半田補正)後 RF−MIX基板裏、 半田を全部やり直す。
C35. 完成RF−MIX基板裏。余分なフラックスを落として、コート液を塗る。
C41. 修理前 IF基板。
C42. 修理後 IF基板。 半固定VR3個、電解コンデンサー14個、IC10個、OP_AMP1個、TR(トランジスター)9個交換
C43. 修理中 IF基板で交換したIC、OP_AMP、足黒TR(トランジスター)。
C44. 修理前 IF基板裏。
C45. 修理(半田補正)後 IF基板裏。 半田を全部やり直す。
C46. 完成IF基板裏。余分なフラックスを落として、コート液を塗る。
C47. 修理前 IF基板裏、ラッピング。
C48. 修理後 IF基板裏、ラッピング。 半田を浸みこませる。
C49. 修理前 IF基板裏、ラッピング2。
C4A. 修理後 IF基板裏、ラッピング2。 半田を浸みこませる。
C81. 修理前 SW基板
C82. 修理後 SW基板。 半固定VR1個、電解コンデンサー3個、IC2個交換
C83. 修理前 SW基板裏
C84. 修理(半田補正)後 SW基板裏。 半田を全部やり直す。
C85. 完成SW基板裏。余分なフラックスを落として、コート液を塗る。
C86. 完成SW基板裏。 SW基板裏、左前。
C87. 完成SW基板裏。 SW基板裏、右前。
CC1. 交換部品
CD1. 修理前 上から
CD2. 修理後 上から
CD3. 修理前 下から
CD4. 修理後 下から
U. TubeTester HickokTV−2B/Uによる真空管測定。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
U1. 予備真空管 UAF42。 左から1本目.2本目....6本目。
     真空管ハンドブックの規格
        相互コンダクタンス=1700μmho 「Ep=100V、Esg=50V、IP=2.8mA、Eg1=−1.2V」。
予備真空管 UAF42。 左から1本目.2本目....6本目。
U11. 予備1本目 UAF42。Gm測定=1840μmho、Ip=2.16mA。
           測定条件、「Ep=100V、Esg=50V、Eg1=−1.2V」。 RangeSW=C、FullScale=3000μmho
U12. 予備2本目 UAF42。Gm測定=1680μmho、Ip=2.12mA。
U13. 予備3本目 UAF42。Gm測定=1700μmho、Ip=2.08mA。
           測定条件、「Ep=100V、Esg=50V、Eg1=−1.2V」。 RangeSW=C、FullScale=3000μmho
U14. 予備4本目 UAF42。Gm測定=1600μmho、Ip=2.02mA。
U15. 予備5本目 UAF42。Gm測定=1700μmho、Ip=2.27mA。
          測定条件、「Ep=100V、Esg=50V、Eg1=−1.2V」。 RangeSW=C、FullScale=3000μmho
U16. 予備6本目 UAF42。Gm測定=1700μmho、Ip=2.10mA。
U2. 予備真空管 UAF42。 左から7本目.8本目....12本目。
      相互コンダクタンス=1650μmho「Ep=100V、Esg=43V、IP=2.3mA、Eg1=−1V」。
予備真空管 UAF42。 左から7本目.8本目....12本目。
U21. 予備7本目 UAF42。Gm測定=1600μmho、Ip=1.88mA。
           測定条件、「Ep=100V、Esg=50V、Eg1=−1.2V」。 RangeSW=C、FullScale=3000μmho
U22. 予備8本目 UAF42。Gm測定=2000μmho、Ip=2.48mA。
U23. 予備9本目 UAF42。Gm測定=1620μmho、Ip=1.94mA。
           測定条件、「Ep=100V、Esg=50V、Eg1=−1.2V」。 RangeSW=C、FullScale=3000μmho
U24. 予備10本目 UAF42。Gm測定=1600μmho、Ip=1.88mA。
U25. 予備11本目 UAF42。Gm測定=1480μmho、Ip=1.76mA。
           測定条件、「Ep=100V、Esg=50V、Eg1=−1.2V」。 RangeSW=C、FullScale=3000μmho
U26. 予備12本目 UAF42。Gm測定=1660μmho、Ip=2.02mA。
プレート(カソード電流)波形を観測しながら測定する。
U3. 予備真空管 UCH42。 左から1本目2本目..4本目。変換コンダクタンスは測定不可。
     真空管ハンドブックの規格
      三極部相互コンダクタンス=2800μmho「Ep=100V、IP=10mA、Eg1=−0V」。
予備真空管 UCH42。 左から1本目2本目..4本目。
U31. 予備1本目 UCH42。Gm測定=2600μmho、Ip=10.30mA。
             測定条件、「Ep=100V、IP=10mA、Eg1=−0V」。 RangeSW=C、FullScale=6000μmho
U32. 予備2本目 UCH42。Gm測定=3200μmho、Ip=10.87mA。
U33. 予備3本目 UCH42。Gm測定=2600μmho、Ip=10.65mA。
             測定条件、「Ep=100V、IP=10mA、Eg1=−0V」。
U34. 予備4本目 UCH42。Gm測定=??μmho、Ip=56.4mA、不良品。
U4. 予備真空管 UL41。 左から1本目2本目3本目。
     真空管ハンドブックの規格
      相互コンダクタンス=8000μmho「Ep=Esg=100V、IP=29mA、Eg1=−5.7V」。
予備真空管 UL41。 左から1本目2本目3本目。
U41. 予備1本目 UL41。Gm測定=7000μmho、Ip=32.62mA。
      測定条件、「Ep=Esg=100V、IP=29mA、Eg1=−5.7V」。 RangeSW=B、FullScale=15000μmho
U42. 予備2本目 UL41。Gm測定=6700μmho、Ip=22.95mA。
U43. 予備3本目 UL41。Gm測定=7000μmho、Ip=25.37mA。
      測定条件、「Ep=Esg=100V、IP=29mA、Eg1=−5.7V」。 RangeSW=B、FullScale=15000μmho
U5. 付属真空管 UAF42。 左から1本目2本目3本目。
     真空管ハンドブックの規格
        相互コンダクタンス=1700μmho 「Ep=100V、Esg=50V、IP=2.8mA、Eg1=−1.2V」。
付属真空管 UAF42。 左から1本目2本目3本目。
U51. 付属1本目 UAF42。Gm測定=1600μmho、Ip=1.77mA。
           測定条件、「Ep=100V、Esg=50V、Eg1=−1.2V」。 RangeSW=C、FullScale=3000μmho
U52. 付属2本目 UAF42。Gm測定=1590μmho、Ip=1.64mA。
U53. 付属3本目 UAF42。Gm測定=1590μmho、Ip=1.58mA。
           測定条件、「Ep=100V、Esg=50V、Eg1=−1.2V」。 RangeSW=C、FullScale=3000μmho
U6. 付属真空管 UCH42、 UL41、UY41。UY41の測定データー無。
付属真空管 UCH42、 UL41、UY41。
U61. 付属1本目 UCH42。Gm測定=3080μmho、Ip=9.65mA。
             測定条件、「Ep=100V、IP=10mA、Eg1=−0V」。RangeSW=C、FullScale=6000μmho
U62. 付属1本目 UL41。Gm測定=7000μmho、Ip=26.46mA。
      測定条件、「Ep=Esg=100V、IP=29mA、Eg1=−5.7V」。 RangeSW=B、FullScale=15000μmho
測定電源は安定化電源を使用し、AC115V 60Hzで行う。
測定の為、入手したリムロック ソケット
US8ピンに変換する。
DM71は測定データー無
E. 調整・測定、 各バンド(Range)トラッキング調整。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
     <見方>
 下の「LEADER 3216P AM信号発信器」より信号を出す。これを受信し出力を測定する。
   表示LED、 左端=変調度、 中左=メモリNo、 中右=出力周波数、 右端=出力レベル。
E11. Range1. 28MHz。
E12. Range1. 14MHz。
E21. Range2. 12MHz。
E22. Range2. 5.8MHz。
E31. Range3. 5.6MHz。
E32. Range3. 2.7MHz。
E41. Range4. 2.4MHz。
E42. Range4. 1.25MHz。
E51. Range5. 1060KHz。
E52. Range5. 520KHz。
F. IF帯域測定。 Spectrum analyzer RIGOL DS815で測定。
E5. 引き続き24時間エージング。 左はWE−396A・UTC A26使用 ラインアンプ
Y. ユーザー宅の設置状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
Y1. 設置状況、 正面から見る。
S. Eddystone 840C の仕様(マニアル・カタログより) 
Model 840C
Country Great Britain (UK)
Manufacturer Brand ; Eddystone, Birmingham
Year 1961〜1968
Category Commercial Receiver (may include amateur bands)
Number of Tubes 8
Valves / Tubes UAF42 / UCH42 / UAF42 / UAF42 / DM70 / UAF42 / UL41 / UY41
Main principle Superhet with RF-stage; ZF/IF 450 kHz; 2 AF stage(s)
Power type and voltage AC/DC-set / 100-250 Volt
Loudspeaker Permanent Magnet Dynamic (moving coil) / 14 cm
Power out 6 W
Material Metal case
Dimensions (WHD) 428 x 227 x 270 mm
Coverage 0.48 - 30 MHz in five ranges / AM/CW/SSB (BFO), AGC/MGC, standby-control
Range, Range1. 12.4 - 30MHz, Range2. 5.2 - 12.9MHz, Range3. 2.5 - 6.1MHz, Range4. 1.12 - 2.58MHz, Range5. 480 - 1150KHz,
Net weight 13.4 kg.
                        840c-1s
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