KENWOOD L−03T.修理記録
2017/1/8持込   2018/7/7完成
A. 修理前の状況
  • 2007年2月、問い合わせ。
    TRIO社のチューナー「L-03T」を中古で購入、メーカーの点検修理を 受けて使ってました。
    最近、電波を感知しない事が多くなり、聞いているうちに突然受信しなく なってしまいます。
    メーカーに修理に出した際は、「問題なし」と返されましたが、やはりその後も症状は変わりません。
    アンテナ線はもちろんOKです。
    せっかく入手した機器です、もう二度と手に入りませんので、オーバー ホールをして長く使いたいと思っています。
  • 2016年1月、問い合わせ。
    かなり以前に修理の照会をしたことがあります。
    KENWOOD L-03Tが、電源が入る以外完全に作動しなくなった為、修理を お願いしたいと思っています。


B. 原因
  • 経年変化による劣化。
    フロントエンド不良。


C. 修理状況
  • RF増幅、、トラッキング、IF回路、MPX回路、修理・調整。
    配線手直し、補強。
    半固定VR交換。
    OP−AMP交換。
    電解コンデンサー交換。


W. ワイドFMバンドの試み
D. 使用部品
  • 電解コンデンサー(オーディオコンデンサー使用)        38個。
    半固定VR                                9個。
    OP−AMP                                6個。
    フロントエンド                                1個。



E. 調整・測定
G. 修理費  90,000円。 オーバーホール修理

Y. ユーザー宅の設置状況

S. KENWOOD L−03T の仕様(マニアル・カタログより)

A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前右から見る
A13. 点検中 後から見る
A14. 点検中 後左から見る
A15. 点検中 上から見る
A16. 点検中 上ケースを取り、上から見る。
A17. 点検中 上ケースを取り、上から見る。
           ダイヤル指針照明電源コードの支ステンレス針金が配線に引っかかっている! 修理者の技量不足が原因。
A21. 点検中 下前から見る
A22. 点検中 下前左から見る
A23. 点検中 下後から見る
A24. 点検中 下後右から見る
A25. 点検中 下から見る
A252. 点検中 下から見る。 2007年2月6日メーカーの修理標。
A26. 点検中 下蓋を取り、下から見る。
A31. 点検中 電源コード。 3Pインレットに交換可能。FURUTECH製FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ。
A32. 点検中 出力RCA端子。 。 テフロン絶縁型と交換可能。
A41. 点検中 交換する電源電解コンデンサー。 左=付いていた2200μ/25V、右=交換する3300μ/25V。
C. 修理状況
C11. 修理前 フロントエンド
C12. 修理中 部品取りより、フロントエンド取出
C13. 修理後 フロントエンド。 トリマー、TR(トランジスター)交換。
C14. 修理中 フロントエンド裏
C15. 修理(半田補正)後 フロントエンド裏。 半田を全部やり直す。
C16. 完成フロントエンド裏。 余分なフラックスを落として、コート液を塗る。
C21. 修理前 RF−IF基板
C212. 修理前 RF−IF基板。 VCO。
C22. 修理後 RF−IF基板。 半固定VR2個、OP-AMP2個、電解コンデンサー8個交換。 
C23. 修理前 RF−IF基板裏
C24. 修理(半田補正)後 RF−IF基板裏。 半田を全部やり直す。
C25. 完成RF−IF基板裏。余分なフラックスを落として、コート液を塗る。
C31. 修理前 PLL−マルチプレックス−AF−電源基板。
C312. 修理中 PLL−マルチプレックス−AF−電源基板。 電解コンデンサー固定するトルエン溶媒の接着剤。
C313. 修理後 PLL−マルチプレックス−AF−電源基板。 トルエン溶媒の接着剤を取り去り、コートを塗布後。
C314. 修理中 PLL−マルチプレックス−AF−電源基板。ラッピング線1
C315. 修理後 PLL−マルチプレックス−AF−電源基板。ラッピング線1に半田を浸み込ませる
C316. 修理中 PLL−マルチプレックス−AF−電源基板。ラッピング線2
C317. 修理後 PLL−マルチプレックス−AF−電源基板。ラッピング線2に半田を浸み込ませる
C318. 修理中 PLL−マルチプレックス−AF−電源基板。ラッピング線3
C319. 修理後 PLL−マルチプレックス−AF−電源基板。ラッピング線3に半田を浸み込ませる
C32. 修理後 PLL−マルチプレックス−AF−電源基板。 半固定VR7個、OP-AMP4個、電解コンデンサー25個交換。 
C33. 修理前 PLL−マルチプレックス−AF−電源基板裏
C34. 修理(半田補正)後 PLL−マルチプレックス−AF−電源基板裏。 半田を全部やり直す。
C35. 完成PLL−マルチプレックス−AF−電源基板裏。余分なフラックスを落として、コート液を塗る。
C51. 修理前 Σドライブ出力AMP基板
C52. 修理後 Σドライブ出力AMP基板。 電解コンデンサー4個交換
C53. 修理前 Σドライブ出力AMP基板裏
C54. 修理(半田補正)後 Σドライブ出力AMP基板裏。 半田を全部やり直す。
C55 完成Σドライブ出力AMP基板裏。余分なフラックスを落として、コート液を塗る。
C61. 修理前 ミューテングレベルVR・LED表示基板
C62. 修理後 ミューテングレベルVR・LED表示基板。 電解コンデンサー1個交換。
C63. 修理前 ミューテングレベルVR・LED表示基板裏
C64. 修理(半田補正)後 ミューテングレベルVR・LED表示基板裏。 半田を全部やり直す。
C65. 完成ミューテングレベルVR・LED表示基板裏。余分なフラックスを落として、コート液を塗る。
C71. 交換部品
C81. 修理前 上から
C82. 修理後 上から
C83. 修理前 下から
C84. 修理後 下から
W.. ワイドFMバンドの試み。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
W1. 最高92MHzまで受信可能。
W2. 90MHzにダイアル目盛りを合わせる。
W2. 中心83MHz受信。 180kHzズレる。
W2. 最低76MHz受信。 250kHzズレる。
E. 調整・測定、 FM受信感度、RL分離測定調整。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
     <見方>
 中上の「LEADER 3216P FMステレオ信号発信器」より信号を出す。これを受信し出力を測定する。
   表示LED、 左端=変調度、 中左=メモリNo、 中右=出力周波数、 右端=出力レベル。
 中下=R出力測定。
   「Audio Analyzer Panasonic VP−7723A」より測定。
   表示LED、 左端=メモリーNo、中左=周波数測定、中右=出力電圧測定、右端=歪み率測定。
 下=L出力測定。
   「Audio Analyzer Panasonic VP−7723A」より測定。
   表示LED、 左端=メモリーNo、中左=周波数測定、中右=出力電圧測定、右端=歪み率測定。
   チューナの出力電圧は固定を使用
E0. 75/50Ω変換アダプター。 無線機器のプロ器は、インピーダンスが50Ω。 民生機器は75Ω。
    これを挿入しているので、「LEADER 3216P FMステレオ信号発信器」の信号出力は−5.7dB低くなる。
E11. FMトラッキング調整。 76MHZ合わす。
E12. FMトラッキング調整。 83MHZで合わす。
E13. FMトラッキング調整。 90MHZで合わす。
E2. FM モノラル受信測定。
     <見方>
     中上の「LEADER 3216P FM信号発信器」より信号を出す。 これを受信し出力を測定する。
        変調度=90%、 出力周波数=83MHZ、 出力レベル=60dB。
     中下=R出力測定。
        「Audio Analyzer Panasonic VP−7723A」より測定。
        変調周波数=400Hz、 出力電圧=0.846V、 歪み率=0.048%。
     下=L出力測定。
        「Audio Analyzer Panasonic VP−7723A」より測定。
        変調周波数=400Hz、 出力電圧=0.841V、 歪み率=0.049%。
E3. FM ステレオ受信測定。
     <見方>
     中上の「LEADER 3216P FMステレオ信号発信器」 より信号を出す。 これを受信し出力を測定する。
         これを受信し出力を測定する。
         変調度=90%、 出力周波数=83MHZ、 出力レベル=60dB。
     中下=R出力測定。
         「Audio Analyzer Panasonic VP−7723A」より測定。
         変調周波数=400Hz、 出力電圧=0.657V、 歪み率=0.041%。
     下=L出力測定。
         「Audio Analyzer Panasonic VP−7723A」より測定。
         変調周波数=400Hz、 出力電圧=0.658V、 歪み率=0.047%。
E41. FM ステレオ受信測定(分離度)。Log649/1.5=52.7dB。
     <見方>
     中上の「LEADER 3216P FMステレオ信号発信器」より「R側信号」を出す。
         これを受信し出力を測定する。
         変調度=90%、 出力周波数=83MHZ、 出力レベル=60dB。
     中下=R出力測定。
         「Audio Analyzer Panasonic VP−7723A」より測定。
         変調周波数=400Hz、 出力電圧=0.649V、 歪み率=0.073%。
     下=L出力測定。
         「Audio Analyzer Panasonic VP−7723A」より測定。
         変調周波数=400Hz、 出力電圧=1.5mV、 歪み率=入力レベルが低すぎて測定不可。
E42. FM ステレオ受信測定(分離度)。Log651/1.3=54dB。
     <見方>
     中上の「LEADER 3216P FM ステレオ信号発信器」より「L側信号」を出す。
         これを受信し出力を測定する。
         変調度=90%、 出力周波数=83MHZ、 出力レベル=60dB。
     中下=R出力測定。
         「Audio Analyzer Panasonic VP−7723A」より測定。
         変調周波数=400Hz、 出力電圧=1.3mV、 歪み率=入力レベルが低すぎて測定不可。
     下=L出力測定。
         「Audio Analyzer Panasonic VP−7723A」より測定。
         変調周波数=400Hz、 出力電圧=0.651V、 歪み率=0.077%。
E51. 帯域測定。 Spectrum analyzer RIGOL DS815で測定。
E52. FM_IF_Wide帯域測定。
E53. FM_IF_Narrow帯域測定。
E6. 24時間エージング。 右はDENON PMA−S10VL
Y. ユーザー宅の設置状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
Y1. 設置状況.
S. KENWOOD L−03T の仕様(マニアル・カタログより) 
型式 FMステレオチューナー L−03T
受信周波数範囲 76MHz〜90MHz
アンテナインピーダンス 75Ω不平衡
感度(75Ω) Distance=10.3dBf(新IHF)/0.90μV(IHF)
Direct=23.3dBf(新IHF)/4.0μV(IHF)
SN比50dB感度 Distance mono=15.9dBf(新IHF)/1.7μV(IHF)
Distance stereo=37.3dBf(新IHF)/20μV(IHF)
Direct mono=25.2dBf(新IHF)/5.0μV(IHF)
Direct stereo=46.8dBf(新IHF)/60.0μV(IHF)
高調波歪率(ANT in→Σ out、85dBf入力) mono、 wide、 narrow
100Hz=0.005%、0.007%
1kHz=0.005%、0.007%
15kHz=0.02%、0.05%
50Hz〜10kHz=0.04%、1.3%
stereo、 wide、 narrow
100Hz=0.02%、0.1%
1kHz=0.015%、0.1%
15kHz=0.2%、2.0%
50Hz〜10kHz=0.09%、0.7%
SN比(ANT in→Σ out、100%変調、85dBf入力) mono=96dB、
stereo=86dB
イメージ妨害比 120dB
選択度(IHF) wide=40dB、 narrow=55dB(300kHz)
イメージ妨害比(84MHz) 90dB
IF妨害比(84MHz) 120dB
スプリアス妨害比(84MHz) 110dB
AM抑圧比 75dB
キャプチャーレシオ wide=0.8dB
narrow=2.0dB
サブキャリア抑圧比 75dB
レックキャリブレーション 440Hz(50%変調)
ステレオセパレーション(ANT in→Σ out)  wide、 narrow
1kHz=60dB、 47dB
50Hz〜10kHz=47dB、35dB
15kHz=45dB、35dB
周波数特性(ANT in→Σ out) 15Hz〜15kHz ±0.5dB
出力レベル/インピーダンス(1kHz、100%変調) 固定出力=0.6V/2kΩ
Σ出力(可変)=1.5V/1Ω
マルチパス出力 垂直出力=0.1V/10kΩ
水平出力=0.7V/10kΩ
電源電圧・電源周波数 AC100V、50Hz/60Hz
定格消費電力 11W(電気用品取締法)
最大外形寸法 幅440×高さ111×奥行337mm
重量 5.4kg
価格 \120,000(1983年1月発売)
                      l-03t_2y
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