SANSUI TU−X1 修理記録
平成16年10月15日到着  平成17年1月15日完成
A. 修理前の状況
  • 症状:電源が入り、信号メーターも作動している様子ですが、AM、FMとも全く音 が出ません。
B.原因
  • MPX回路、バッファーAMP不良、TR(トランジスター)劣化、電解コンデンサー劣化。
    他各部経年劣化。

C. 修理状況
  • RF増幅、、トラッキング、IF回路、MPX回路、修理・調整。
    AM回路調整。
    半固定VR交換。
    電解コンデンサーをオーディオ用に交換。
    各部半田補正。
    出力RCA端子交換。

D.使用部品
  • 電解コンデンサー(ミューズ使用) 79個。
    フイルムコンデンサー         2個。
    半固定VR              19個。
    テフロン絶縁RCA端子       6個。

     
E. 調整・測定

F. 修理費
  98,000円    オーバーホール修理

S. SANSUI TU−X1 の仕様(マニアル・カタログより)

A. 修理前の状況
A1. 点検中 上から見る FM関係の基板
A2. 点検中 下から見る AM関係と電源基板
A3. 点検中 後ろから見る 真ん中の巨大な筒はAMのフェライトコアANT!
          スタティックシールドが施された高感度! 雑音にも強い
A4. 点検中 FMチューナーとAMチューナーが完全に独立している為、同時に受信できる
          左側のノブがAM(下部の赤い指針)。右側のノブがFM専用(上部の緑色 の指針)。
          4つあるメーターも,AM/FMそれぞれ独立
C. 修理状況
C1. 修理中 試作品とも思える作り!
C1A. 修理前 フロント・エンド MOS-FETによるRF2段増幅、RF-AGC付き、MOS-FET-MIX、2段バッファーアンプ付局部
           左下は局発、周波数直線型7連バリコン使用、2つの段間同調はW チューン方式
C1B. 修理後 フロント・エンド(RF、MIX)  電解コンデンサー、半固定VR2個交換
C1B−1. 修理中 フロント・エンドのバリコン、右半分は清掃後
C1B−2. 修理(清掃)後 フロント・エンドのバリコン
C1C. 修理前 フロント・エンド(RF、MIX)裏
C1D. 修理(半田補正後)後 フロント・エンド(RF、MIX)裏 全半田をやり直す
C1E. 完成フロント・エンド(RF、MIX)裏。余分なフラックスを落として、コート液を塗る。
C1F. 修理中 フロント・エンド(RF、MIX) 局部発信のトリーマーの穴が無い(設計ミス)
C1D. 修理後 フロント・エンド(RF、MIX) 局部発信のトリーマーの穴を空ける
C2A. 修理前 FM−IF基板 黒く大きいのが4ポールLCフィルター、右下細長いのがNARROW用SAWフィルター
           IFは10段! 今なら水晶フィルターで簡単に安く達成できるが、デジタル処理がでて来ています
C2B. 修理後 FM−IF基板 電解コンデンサー14個、半固定VR2個交換
C2C. 修理前 FM−IF基板裏
C2D. 修理(半田補正後)後 FM−IF基板裏 全半田をやり直す
C2E. 完成FM−IF基板裏。余分なフラックスを落として、コート液を塗る。 
C3A. 修理前 FM−DET基板
C3B. 修理後 FM−DET基板  電解コンデンサー8個交換
C3C. 修理前 FM−DET基板基板裏
C3D. 修理(半田補正後)後 FM−DET基板裏 全半田をやり直す
C3E. 完成FM−DET基板裏。余分なフラックスを落として、コート液を塗る。
C4A. 修理前 FM−MPX基板
C4B. 修理後 FM−MPX基板 電解コンデンサー19個、半固定VR6個、フイルムコンデンサー2個交換
C4C. 修理前 FM−MPX基板基板裏
C4D. 修理(半田補正後)後 FM−MPX基板裏 全半田をやり直す
C4E. 完成FM−MPX基板。余分なフラックスを落として、コート液を塗る。
C5A. 修理前 AMアンテナ選択基板
C5B. 修理後 AMアンテナ選択基板
C5C. 修理前 AMアンテナ選択基板裏
C5D. 修理(半田補正後)後 AMアンテナ選択基板裏 全半田をやり直す
C5E. 完成AMアンテナ選択基板裏。余分なフラックスを落として、コート液を塗る。
C6A. 修理前 AM基板、PLL同期検波方式、検波出力はUSB(上側波帯)とLSB(下側波帯)を選択出来る
           妨害信号の無い測波帯を選択することで効果的に混信を逃げる
           AM高周波部には,ダブルバランス型ミキサーを採用、  
C6A−1. 修理前 AM基板の腐食したIC
C6A−2. 修理(清掃)後 AM基板のIC
         画像紛失
C6B. 修理後 AM基板 電解コンデンサー22個、半固定VR8個交換
C6C. 修理前 AM基板裏
C6D. 修理(半田補正後)後 AM基板裏 全半田をやり直す
C6E. 完成AM基板裏。余分なフラックスを落として、コート液を塗る。
C7A. 修理前 AMチュナーメーター基板
C7B. 修理後 AMチュナーメーター基板 電解コンデンサー2個交換
C7C. 修理前 AMチュナーメーター基板裏
C7D. 修理(半田補正後)後 AMチュナーメーター基板裏 全半田をやり直す
C7E. 完成AMチュナーメーター基板。余分なフラックスを落として、コート液を塗る。
C8A. 修理前 電源基板
C8A−1. 修理中 電源基板 接着剤で腐食が起きる
C8B. 修理後 電源基板 電解コンデンサー11個、半固定VR交換
C8C. 修理前 電源基板裏
C8D. 修理(半田補正後)後 電源基板裏 全半田をやり直す
C8E. 完成電源基板裏。余分なフラックスを落として、コート液を塗る。
C9A. 修理前 インディケーター基板
C9B. 修理後 インディケーター基板 電解コンデンサー2個交換
C9C. 修理前 インディケーター基板裏
C9D. 修理(半田補正後)後 インディケーター基板裏 全半田をやり直す
C9E. 完成インディケーター基板。余分なフラックスを落として、コート液を塗る。
CAA. 修理前 出力RCA端子郡
CAB. 修理後 出力RCA端子郡
CAC. 交換部品
CBA. 修理前 上から見る
CBB. 修理後 上から見る
CBC. 修理前 下から見る
CBD. 修理後 下から見る
E. 調整・測定
E1. 感度測定調整
     機器の機能
     左中=FMステレオ信号発信器
     左=高周波信号発信器
     右上=オシロ(上=R出力、下=L出力)
     下左側=歪み率計(上=R出力、下=L出力)
E2A. FM受信感度、歪み測定調整
    見方
     FMステレオ信号発信器より 82MHZで 1000Hの 変調信号を 30dBで出す
     これを受信し出力を測定する、
     歪み率、L出力=0.277%、右出力=0.276%
     出力波形 上=R出力、下=L出力。
E2B. FM受信感度、歪み測定調整
    見方
     FMステレオ信号発信器より 82MHZで 400Hの 変調信号を 30dBで出す
     これを受信し出力を測定する、
     歪み率、L出力=0.277%、右出力=0.276%
     出力波形 上=R出力、下=L出力。
E3A. FM受信感度、歪み測定調整
    見方
     FMステレオ信号発信器より 82MHZで 1000Hの 変調信号を 1dBで出す
     これを受信し出力を測定する、
     歪み率、L出力=0.281%、右出力=0.285%
     出力波形 上=R出力、下=L出力。
E3B. FM受信感度、歪み測定調整
    見方
     FMステレオ信号発信器より 82MHZで 400Hの 変調信号を 1dBで出す
     これを受信し出力を測定する、
     歪み率、L出力=0.303%、右出力=0.308%
     出力波形 上=R出力、下=L出力。
E4A. FM受信 分離度測定調整
    見方
     FMステレオ信号発信器より 82MHZで 1000Hの R変調信号を 30dBで出す
     これを受信し出力を測定する、
     出力波形 上=R出力、下=L出力。
E4B. FM受信 分離度測定調整
    見方
     FMステレオ信号発信器より 82MHZで 1000Hの L変調信号を 30dBで出す
     これを受信し出力を測定する、
     出力波形 上=R出力、下=L出力。
E4C. FM受信 分離度測定調整
    見方
     FMステレオ信号発信器より 82MHZで 400Hの R変調信号を 30dBで出す
     これを受信し出力を測定する、
     出力波形 上=R出力、下=L出力。
E4D. FM受信 分離度測定調整
    見方
     FMステレオ信号発信器より 82MHZで 400Hの L変調信号を 30dBで出す
     これを受信し出力を測定する、
     出力波形 上=R出力、下=L出力。
E5A. AM 感度測定調整
    見方
     上のAM信号発信器より 1400KHZで 400Hの 50%変調信号を 50dBで出す
     これを受信し出力を測定する、
     歪み率、L出力=0.814%、右出力=0.818%
     出力波形 上=R出力、下=L出力。
E5B. AM 感度測定調整
    見方
     上のAM信号発信器より 1400KHZで 400Hの 50%変調信号を 25dBで出す
     これを受信し出力を測定する、
     歪み率、L出力=1.52%、右出力=1.54%
     出力波形 上=R出力、下=L出力。
E6. 24時間エージング。
S. SANSUI TU−X1 の仕様(マニアル・カタログより)
型式 FM/AMチューナー
FMチューナー部
受信周波数 76〜90MHz
実用感度(IHF) MONO=8.7dBf(旧IHF 1.5μV)
STEREO=14.5dBf
50dBクワイティング感度(IHF) MONO=12.5dBf
STEREO=34dBf
S/N比 MONO=86dB以上
STEREO=83dB以上
ハム&ノイズ(65dBf)=80dB以上
周波数特性 MONO=20Hz〜15kHz(+0.2dB、-0.5dB)
STEREO=20Hz〜15kHz(+0.2dB、-0.5dB)
歪率(IHF、50dBクワイティング) MONO、 100Hz=0.7%以下、 1kHz=0.7%以下、 6kHz=1%以下
STEREO、 100Hz=0.7%以下、 1kHz=0.7%以下、 6kHz=1%以下
歪率(IHF 65dBf) MONO、 100Hz=0.03%以下、 1kHz=0.02%以下、 6kHz=0.04%以下
STEREO
100Hz=0.04%以下、 1kHz=0.03%以下、 6kHz=0.05%以下
キャプチュアレシオ(WIDE) 0.9dB以下
選択度(IHF、400kHz) 55dB以上(WIDE)、 80dB以上(NARROW)
スプリアスレスポンス比(IHF) 130dB以上(83MHz)
イメージレスポンス比(IHF) 130dB以上(83MHz)
IFレスポンス比(IHF) 平衡=130dB以上(83MHz)、 不平衡=130dB以上(83MHz)
RF相互変調(IHF) 70dB(83MHz)
AM抑圧比(IHF) 65dB以上(83MHz)
ステレオセパレーション 100Hz=45dB以上、 1kHz=50dB以上、 10kHz=40dB以上
サブキャリア成分比 70dB以上(固定出力)
出力電圧/インピーダンス 固定出力=200mV、 可変出力=0〜1.5V(2.5kΩ)
AM部
受信周波数 535〜1,605kHz
実用感度(IHF、バーアンテナ) 50dB/m(NARROW、1MHz)
選択度(±9kHz) -3dB以上
2信号選択度(±9kHz) -35dB以上(NARROW)
SN比(入力100dB/m) 65dB以上
周波数特性 40Hz〜7kHz(+0dB、-3dB)
歪率 30%変調、90dB/m=0.2%以下、 80%変調、90dB/m=0.25%以下
ビートキャンセラー(8MHz) -40dB
イメージレスポンス比(IHF) 70dB以上(1000kHz)
ミューティング動作レベル 50dB/m
IFレスポンス比(IHF) 70dB以上(1000kHz)
AM出力レベル 600mV以上(30%変調)
総合
消費電力 25W(電気用品取締法)
外形寸法 幅480x高さ197x奥行450mm
重量 16.2kg
価格 ¥135,000(1979年11月発売)
特色
  • 音質の徹底追及。
  • 真のHi-Fiチューナー。
  • FMチューナー部
    • フロントエンドに,リニアリティ最適化回路を採用。
    • 高周波同調段から検波段に至るまでの総合群遅延特性を平坦化。
    • 音の決め手,動的群遅延特性を改善したIF部。
    • Wide/Narrow2段切換え。狭帯域回路にSAWフィルターを採用。
    • 超広帯域ハイパワードライブ・レシオ検波器と新開発の検波コイルを採用。
    • スルーレイト±200V/μsのプッシュプル・ドライブDCアンプをコンポジェットアンプに搭載。
    • 多局化に備え,アジャセント・チャンネルフィルター。
    • パイロットキャンセラー回路を採用。
    • オートマチックノイズフィルターを新開発。
  • AMチューナー部
    • AM同期検波方式によりHi-Fi受信と混信排除能力を両立。
    • 画期的なビートキャンセラー。
    • スタティックシールド型バーアンテナを採用。  
                        tu-x1-20
ここに掲載された写真は、修理依頼者の機器を撮影した者です、その肖像権・版権・著作権等は、放棄しておりません。  写真・記事を無断で商用利用・転載等することを、禁じます。
 Copyright(C) 2021 Amp Repair Studio All right reserved.