Sansui AU−D907X Decade. 8台目修理記録
平成21年3月24日到着  平成21年5月19日完成
注意 このAMPはRL−SPのアース側にもAMPが入っています
    よって、AMPのシャーシにSPの線(アース側)を接続してはいけません、共通にしてもいけません、終段TRが死にます
このAMPは、下記の改造(基板CUT)の意味が、即答できる人に修理して貰いましょう。 配線は太く短くは原則。
A9. 「AU−D907X Decade」 修理前の状況  「詳しくは別ページに移動」
  • オークションで購入

A7. 「AU−D707X Decade」 修理前の状況  「詳しくは別ページに移動」
  • AU-D707X Decadeへの想いですが、これは私が高校1年生の時から愛用している相棒なんです。
    当時の私にはあまりにも高価な代物でした。家は恥ずかしながら父が無職で母がずっと家計を支えていましたので裕福な生活はしていません。
    時代はオーディオブームでした。中学1年生の時、私がカタログを真剣に見ているところを母親に見つかってしまいました。母は、『そんなに欲しいの?それなら、期末テストで学年1番取ったら、買ってあげる。頑張りなさい。』と言ってくれました。母は、多分、私の通う中学は*県で1番のマンモス校で1学年に600人もいたので無理だと思っていたと思います。
     頑張ること1年、初めて学年1番を取りました。でも、余りにも高価なので、すぐに『買って。』と言えなくて、連続5回取ったら買ってもらうことに話を変えました。そして、約束の5回目を達成した時、母から『よく頑張ったね。約束のステレオを買いに行こうね。』と言ってくれました。
     本当は907が欲しかったのですが、1ランク遠慮して707を買ってもらいました。 ちょうどこの頃、中1の時からの初恋、辛い片想いをしていまして、この初恋のあの娘への熱い想いは、18年間も続いてしまいました。この707は18年間も私の熱く悲しい想いを乗せた『オフコース』を聴かせてくれました。
     この707を死なせたくないんです。 山水が潰れたので707の修理は無理だと勝手に思い込んで、数ヶ月前、ヤフオクで907を入手しました。しかし、話と全く違いまして、傷だらけで音も出たり出なかったり、無音時(CDもLPも)に変な曲みたいな音が出たりします。SP端子はボロボロ、電源ケーブルは途中で市販の家電コンセントに改悪されています。 私としては、この相棒707と騙されたとは言え、憧れの907を、なんとかしたいんです。
      私の707の外観は超美品です。
    流石に両方のアンプを直す資金はないので、中身は907をオーバーホール+アレンジのファインチューニング、外観は707(サイドウッド、天井板、全スイッチ、ボリューム、各ノブ等)を付け替えて頂けないでしょうか?
     また、SP端子をWBT、電源ケーブルは可能であれば、別売の電源ケーブルが使えるように加工して頂ければと思っています。 予算は頑張って15万円を用意しました。 (電源ケーブルはとっても高いそうなので、またお金を貯めて自分で購入したいと思います。田中様の長年のご経験で、オススメがあれば教えて下さいませ。) 田中様の感性と技術で史上最高のAU-D907X DECADE+AU-D707X DECADEを作って頂けないでしょうか。
    山水のDECADEは私の青春、相棒なんです。

B. 「AU−D907X DECADE」と「AU−D707X DECADE」部品比較、別ページに移動
C. 修理状況
  • 方針=「AU−D907X DECADE」の外観状態が良くないので、「AU−D707X DECADE」から使用できるパーツを移動する。よって、「AU−D707X DECADE」は部品取りとし、修理せず、破棄する。
    SP接続リレー交換
    メインAMPのバランス/バイアス半固定VR交換
    メインAMPの初段FET(電界効果トランジスター)交換
    コントロールAMPの初段FET(電界効果トランジスター)交換
    取り外し、各基板の半田不良を修理します、所謂、半田補正作業。
    チューナップの為、電解コンデンサーをオーディオコンデンサーに交換
    フイルムコンデンサーをメタライズドフイルムコンデンサーに交換
    入力切り替え表示ランプ交換
    電源コード交換


D. 使用部品
  • バランス/バイアス半固定VR 13mmΦ高級品      12個
    FET(電界効果トランジスター)                   4個
    SP接続リレ                               2個
    電解コンデンサー(ミューズ使用)                 94個
    フイルムコンデンサー                         4個
    抵抗                                    2個
    表示ランプ                                5個
    電源コード                                1本


E. 調整・測定

F. 修理費   150,000円    オーバーホール修理。

S. Sansui AU−D907X Decade の仕様(マニアル・カタログより)

A9. 「AU−D907X Decade」 修理前の状況 「詳しくは別ページに移動」
A911. 907外観、前から見る。
A913. 907外観、後から見る。
A920. 907点検中 清掃後、上から見る
A921. 907点検中 清掃後、下から見る
A923. 907点検中、洗浄材がベッタリ付いたSP接続リレー
A7. 「AU−D707X Decade」 修理前の状況  「詳しくは別ページに移動」
A711. 707外観、前から見る。
A724. 707点検中 清掃後、上から見る
A97. 「AU−D907X Decade」と「AU−D707X Decade」部品比較、別ページに移動
C. 修理状況 
C12. 修理前 SP接続リレー基板
C13. 修理後 SP接続リレー基板。 SP接続リレー2個、電解コンデンサー14個交換
C14. 修理中 SP接続リレー比較 左=付いていた接点容量7A=8Ω出力だと392W定格
                           右=交換する接点容量10A=8Ω出力だと800W定格
C15. 修理前 SP接続リレー基板裏
C16. 修理(半田補正)後 SP接続リレー基板裏、 全半田やり直し。
C17. 完成SP接続リレー基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C18. 修理前 SP接続切り替えSW、(707から移動)。
C19. 修理(半田補正)後 SP接続切り替えSW。
C1A. 完成SP接続切り替えSW、 洗浄後、コート液を塗布。
C21. 修理前 R側・初段ドライブAMP基板
C22. 修理後 R側・初段ドライブAMP基板。 初段FET(電界効果トランジスター)1個、半固定VR2個、電解コンデンサー6個交換
C23. 修理前 R側・初段ドライブAMP基板裏
C24. 修理(半田補正)後 R側・初段ドライブAMP基板裏  全半田やり直し
C25. 完成R側・初段ドライブAMP基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C26. 修理前 L側・初段ドライブAMP基板
C27. 修理後 L側・初段ドライブAMP基板 初段FET(電界効果トランジスター)1個、半固定VR2個、電解コンデンサー6個交換
C28. 修理前 L側・初段ドライブAMP基板裏
C29. 修理(半田補正)後 L側・初段ドライブAMP基板裏。  全半田やり直し
C2A. 完成L側・初段ドライブAMP基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C2B. 修理前 R・Lプロテクト基板、(707から移動)。
C2C. 修理後 R・Lプロテクト基板 電解コンデンサー4個交換
C2D. 修理前 R・Lプロテクト基板裏
C2E. 修理(半田補正)後 R・Lプロテクト基板裏  全半田やり直し
C2F. 完成R・Lプロテクト基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C31. 修理前 メイン・ドライブAMP基板
C32. 修理後 メイン・ドライブAMP基板 半固定VR4個、電解コンデンサー10個交換
C33. 修理前 メイン・ドライブAMP基板裏
C332. 修理前 メイン・ドライブAMP基板、前回の修理での補修ケ所
C333. 修理前 メイン・ドライブAMP基板、前回の修理での半田玉
C334. 修理前 メイン・ドライブAMP基板、電線が挟まった跡
C34. 修理前 メイン・ドライブAMP基板裏、R側・初段ドライブAMP基板とR・Lプロテクト基板を取り外す。
C35. 修理(半田補正)後 メイン・ドライブAMP基板裏 差し込み基板は未接続
C36. 完成メイン・ドライブAMP基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C37. 修理前 電源電解コンデンサー基板裏
C372. 修理中 電源電解コンデンサー基板を取り出す、基板裏。
C373. 修理中 電源電解コンデンサー基板裏、 トルエン溶媒の接着材が、銅を腐食させるので、取り除く。
C374. 修理中 電源電解コンデンサー基板裏、 左右の電解コンデンサーの容量が異なる。
                          しかし、左右独立電源は、この赤青2本の電線で接続され、無効になっているので、OK。
C38. 修理(半田補正)後 電源電解コンデンサー基板裏 電解コンデンサー2個交換
C39. 完成電源電解コンデンサー基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C41. 修理前 定電圧基板 狭い場所に納めるため、コンデンサーをパラにしていた、下右の4個は使用していない。
C412. 修理中 定電圧基板 トルエン溶媒の接着材が、銅線を腐食させるので、取り除く。
C42. 修理後 定電圧基板
                     電解コンデンサー18個交換、フイルムコンデンサー4個増設。 コンデンサー容量は増量してある
C43. 修理前 定電圧基板裏
C44. 修理(半田補正)後 定電圧基板裏
C45. 完成定電圧基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C51. 修理前 コントロール基板
C512. 修理中 コントロール基板、SWを707から移植の為、取り外す。
C52. 修理後 コントロール基板 電解コンデンサー14個交換(BP多用の為減少)
C53. 修理前 コントロール基板裏
C532. 修理中 コントロール基板裏、SWを外し、1部電解コンデンサー交換中。
C54. 修理(半田補正)後 コントロール基板裏
C55. 完成コントロール基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C561. 修理前 メインVR基板裏、707から移動。
C562. 修理(半田補正)後 メインVR基板裏  全半田やり直し
C563. 完成メインVR基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C571. 修理前 ヘッドホーン・ジャック基板裏、707から移動。
C572. 修理(半田補正)後 ヘッドホーン・ジャック基板裏 全半田やり直し
C573. 完成ヘッドホーン・ジャック基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C575. 修理前 CD_Direct_RCA端子基板裏
C576. 修理中 CD_Direct_RCA端子基板裏、RCA端子交換修理の為取り外す。
C577. 修理(半田補正)後 CD_Direct_RCA端子基板裏  全半田やり直し
C578. 完成CD_Direct_RCA端子基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C61. 修理前 EQ基板
C62. 修理後 EQ基板 初段FET(電界効果トランジスター)2個、半固定VR4個、電解コンデンサー20個(BPに交換したので2個減)交換
C63. 修理前 EQ基板裏
C64. 修理(半田補正)後 EQ基板裏  全半田やり直し
C65. 完成EQ基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C71. 修理前 SW基板 左の円筒はMCトランス
C72. 修理後 SW基板
C73. 修理前 SW基板裏
C732. 修理中 SW基板裏、RCA端子を外した所。
C74. 修理(半田補正)後 SW基板裏  全半田やり直し
C75. 完成SW基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C752. 修理前 RCA端子、707から移動。
C753. 修理中 RCA端子、半田吸い取り線や鈴メッキ線で補強する。
C754. 修理中 RCA端子、半田吸い取り線や鈴メッキ線で補強する。横から見る。
C755. 修理後 RCA端子、半田吸い取り線や鈴メッキ線で補強する。さらにホットボンドで固定する。
C756. RCA端子を取り付けた。
C761. 修理前 ModeSW基板、707から移動。
C762. 修理前 ModeSW基板裏。
C763. 修理(半田補正)後 ModeSW基板裏。
C764. 完成ModeSW基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C765. 修理前 LED表示基板、707から移動。
C766. 修理前 LED表示基板裏。
C767. 修理(半田補正)後 LED表示基板裏。
C768. 完成LED表示基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C771. 修理前 入力表示基板、707から移動。 LED全盛ですが、柔らかい光は電球のみ!
C772. 修理前 入力表示基板裏。
C773. 修理(半田)後 入力表示基板裏。
C774. 完成入力表示基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C81. パネル裏の修理中 念のため、接着する
C82. パネル表、清掃
C83. 左右横パネル板下側、 圧縮材に、ボンドをしみ込ませる。
C84. 左右横パネル板下側、 さらに、黒色ラッカーを塗布する。 上は907X。
C85. 交換した電源コード、 1.25? 2芯。
C91. 交換部品、電解コンデンサー。
C92. 交換部品
CA1. 修理前 上から見る
CA2. 修理後 上から見る
CA3. 修理前 下から見る
CA4. 修理後 下から見る
E. 調整・測定
E1. 出力・歪み率測定。
    「見方」。
   下段左端 オーディオ発振器より400HZ・1KHZの信号を出し(歪み率=約0.003%)これをAMPに入力し、出力を測定。
   下段中央 オシロ=入力波形(オーディオ発振器のTTLレベル表示)。
   上段左端 交流電圧計=L側出力電圧測定、黒針のみ使用。
   上段中左 歪み率計=出力の歪み率測定 左メータ=L出力、右メータ=R出力。
   上段中右 交流電圧計=R側出力電圧測定、赤針のみ使用。
   上段右端 オシロ=出力波形表示、 赤表示=R出力、黄色表示=L出力。(実際にはRL交流電圧計の出力「Max1V」を観測)。
E2A. R側SP出力39V=190W 歪み率=0.03% 1000HZ AUX入力
E2B. R側SP出力39V=190W 歪み率=0.02% 400HZ AUX入力
E2C. L側SP出力39V=190W 歪み率=0.03% 1000HZ AUX入力
E2D. L側SP出力39V=190W 歪み率=0.02% 400HZ AUX入力
E3A. R側SP出力39V=190W 歪み率=0.03% 1000HZ MM入力
E3B. R側SP出力39V=190W 歪み率=0.03% 400HZ MM入力
E3C. L側SP出力39V=190W 歪み率=0.03% 1000HZ MM入力
E3D. L側SP出力39V=190W 歪み率=0.03% 400HZ MM入力
E4A. R側SP出力39V=190W 歪み率=0.05% 1000HZ Low_MC入力
E4B. R側SP出力39V=190W 歪み率=0.03% 400HZ Low_MC入力
E4C. L側SP出力39V=190W 歪み率=0.04% 1000HZ Low_MC入力
E4D. L側SP出力39V=190W 歪み率=0.03% 400HZ Low_MC入力
E6.    24時間エージング
S. Sansui AU−D907X Decade の仕様(マニアル・カタログより) 
型式 インテグレーテッドDCアンプ AU-D907X (Decade)
パワーアンプ部 Xバランス・アンプ(Twin Diamond Balanced Drive Amp)方式
実効出力(両ch駆動) 180W+180W(6Ω、10Hz〜20kHz)
160W+160W(8Ω、10Hz〜20kHz)
250W+250W(4Ω、1kHz)
210W+210W(6Ω、1kHz)
180W+180W(8Ω、1kHz)
全高調波歪率 0.003%(8Ω、10Hz〜20kHz、実効出力時)
0.005%(6Ω、10Hz〜20kHz、1/2実効出力時)
混変調歪率(60Hz=7kHz=4=1) 0.003%(8Ω、実効出力時)
出力帯域幅(IHF、両ch動作、THD0.03%) 5Hz〜80kHz
ダンピングファクター(新IHF、20Hz〜20kHz) 100(6Ω)
周波数特性(1W) DC〜300kHz +0 -3dB
エンベロープ歪 測定限界以下
TIM歪(Sawtooth法) 測定限界以下
スルーレイト ±300V/μsec(6Ω)
ライズタイム 0.5μsec
イコライザーアンプ部(Hi-Precisionイコライザー)
入力感度/入力インピーダンス(1kHz) Phono MM=2.5mV/47kΩ
Phono High MC=2.5mV/100Ω
Phono MC Low=100μV/3.2Ω(MCトランス採用)
Phono MC High=300μV/40Ω(MCトランス採用)
CD、Tuner、Tape1、2=150mV/47kΩ
Phono最大許容入力(1kHz、THD 0.01%) MM=300mV
High MC=300mV
MC High=35mV(トランス方式)
出力レベル/インピーダンス Tape rec=150mV/600Ω
RIAA偏差(MM、Rec out) 20Hz〜300kHz ±0.2dB
SN比(Aネットワーク、ショートサーキット) Phono MM=90dB
Phono MC=80dB以上(100μV)
CD、Tuner、Tape=110dB
トーンコントロール Bass最大変化量=±10dB(20Hz)
Treble最大変化量=±10dB(20kHz)
トーンセレクター Bass=100Hz、200Hz
Treble=4kHz、8kHz
サブソニックフィルター 16Hz(-3dB、6dB/oct)
オーディオミューティング -20dB
総合
定格消費電力(電気用品取締法) 370W
外形寸法 幅466x高さ161x奥行431mm
重量 20.5kg
価格 189,000(1984年発売)
                     d907xd834
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