BRYSTON 4B. 2台目修理記録
2022/5/18到着  6/5完成  
A. 修理前の状況
  • 東京で小さな録音スタジオをやっております。
    しばらく前に手に入れたBRYSTON 4Bが今日突然NGになりまして、こちらにご相談に上がった次第です。
    私が手に入れたのは去年ですが、写真にある通りそれまでかなりハードに使用されていた感じです。
    電源は入るのですが、後ろのトリムを回す間も無く音が歪みまくりになります。
    昨日までは普通に使えていたのですが?
    修理に加えて全体でオーバーホールをお願いしたいのですが可能でしょうか?
    現状入力部がRCAとPHONEなのですが、キャノンに取り替えて下さい。


B.原因
  • 放熱が悪く、終段TR(トランジスター)の安定化抵抗焼損。
    終段TR(トランジスター)のバイアス調整VRの接触不良。
    他各部経年劣化部品多数。


C. 修理状況

D.使用部品
  • 電解コンデンサ−                  15個ミューズ使用。
    IC                           10個。
    フイルム・コンデンサ−              4個。
    半固定VR                      4個。
    抵抗                        16個。
    XLRコネクターNEUTRIC NC3FP-B-1     2個。
    3PインレットFURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ使用  1個。
    ヒューズホルダー(ヒューズ込)              4本。

E. 調整・測定

F.修理費  125,000円   オーバーホール修理。

Y. ユーザー宅の設置状況

S. BRYSTON 4B の仕様(マニアル・カタログより)


A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A01. 点検中 ケースに入れてある、前から見る
A02. 点検中 ケースに入れてある、後から見る
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前右から見る
A13. 点検中 後から見る
A14. 点検中 後左から見る
A15. 点検中 上から見る。 上蓋の前側の3個の止めビス無。
A16. 点検中 上蓋を取り、上から見る。
A17. 点検中 上蓋固定ビスを受ける埋め込みナットが無い。このビスが無いと前パネルが固定されない。
A21. 点検中 下前から見る
A22. 点検中 下前左から見る
A23. 点検中 下後から見る
A24. 点検中 下後右から見る
A25. 点検中 下から見る。左右放熱器固定前側止めビス無。
A26. 点検中 下から見る。右側放熱器固定ビス無。
A27. 点検中 下から見る。左側放熱器固定ビス無。
A31. 点検中 電源ブロック電解コンデンサー液漏れ無。
A32. 点検中 R側+電源ブロック電解コンデンサー測定=8990μF
A33. 点検中 R側−電源ブロック電解コンデンサー測定=9180μF
A34. 点検中 L側+電源ブロック電解コンデンサー測定=8980μF
A35. 点検中 L側−電源ブロック電解コンデンサー測定=8960μF
A41. 点検中 R側終段TR(トランジスター)。2N3773と不明。
A42. 点検中 RL側終段TR(トランジスター)。 2N3773。
A43. 点検中 L側終段TR(トランジスター)。2N3773と不明。
A51. 点検中 R側終段TR(トランジスター)安定抵抗焼損。
A52. 点検中 R側終段TR(トランジスター)安定抵抗焼損2。
A53. 点検中 L側終段TR(トランジスター)安定抵抗焼損。
A54. 点検中 L側終段TR(トランジスター)安定抵抗焼損2。
A61. 点検中 電源ヒューズ点検。仕様では8A、付いているのは10A。
A71. 点検中 入出力端子郡。
A72. 点検中 入出力端子郡。PHONE入力をキャノン(XLR)に交換。金メッキ製と交換NEUTRIC NC3FP-B-1
A81. 点検中 電源ケーブル取付。
A82. 点検中 電源ケーブルを取り3Pインレットに交換。FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ使用。
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C1. 修理中 左右AMPブロック、前後パネルを外したシャーシ。
C2. 修理中 RLでAMPブロックのバージュンが異なる。
C11. 修理前 R−AMPブロック。
C12. 修理後 R−AMPブロック。
C21. 修理前 R−AMP+側TR(トランジスター)。
C22. 修理中 R−AMP+側TR(トランジスター)、マイカー絶縁をシリコンに交換。
C23. 修理後 R−AMP+側TR(トランジスター)。
C24. 修理前 R−AMP+側基板。
C25. 修理後 R−AMP+側基板。抵抗4本、電解コンデンサー2個交換。 全半田やり直す。
C26. 完成R−AMP+側基板 洗浄後防湿材を塗る。
C27. 修理前 R−AMP+側基板裏。
C28. 修理(半田補正)後 R−AMP+側基板裏。 全半田やり直す。
C29. 完成R−AMP+側基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C31. 修理前 R−AMP TR(トランジスター)。
C32. 修理中 R−AMP TR(トランジスター)、マイカー絶縁をシリコンに交換。
C33. 修理後 R−AMP TR(トランジスター)。
C34. 修理前 R−AMP基板。
C35. 修理後 R−AMP基板。半固定VR1個、電解コンデンサー3個交換。 全半田やり直す。
C36. 完成R−AMP基板 洗浄後防湿材を塗る。
C37. 修理前 R−AMP基板裏。
C38. 修理(半田補正)後 R−AMP基板裏。 全半田やり直す。
C39. 完成R−AMP基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C41. 修理前 R−AMP−側TR(トランジスター)。
C42. 修理中 R−AMP−側TR(トランジスター)、マイカー絶縁をシリコンに交換。
C43. 修理後 R−AMP−側TR(トランジスター)。
C44. 修理前 R−AMP−側基板。
C45. 修理後 R−AMP−側基板。抵抗4本、電解コンデンサー2個交換。 全半田やり直す。
C46. 完成R−AMP−側基板 洗浄後防湿材を塗る。
C47. 修理前 R−AMP−側基板裏。
C48. 修理(半田補正)後 R−AMP−側基板裏。 全半田やり直す。
C49. 完成R−AMP−側基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C51. 修理前 L−AMPブロック。
C52. 修理後 L−AMPブロック。
C61. 修理前 L−AMP+側TR(トランジスター)。
C62. 修理中 L−AMP+側TR(トランジスター)、マイカー絶縁をシリコンに交換。
C63. 修理後 L−AMP+側TR(トランジスター)。
C64. 修理前 L−AMP+側基板。
C65. 修理後 L−AMP+側基板。抵抗4本、電解コンデンサー2個交換。 全半田やり直す。
C66. 完成L−AMP+側基板 洗浄後防湿材を塗る。
C67. 修理前 L−AMP+側基板裏。
C68. 修理(半田補正)後 L−AMP+側基板裏。 全半田やり直す。
C69. 完成L−AMP+側基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C71. 修理前 L−AMP TR(トランジスター)。
C72. 修理中 L−AMP TR(トランジスター)、マイカー絶縁をシリコンに交換。
C73. 修理後 L−AMP TR(トランジスター)。
C74. 修理前 L−AMP基板。
C75. 修理後 L−AMP基板。半固定VR1個、電解コンデンサー3個交換。 全半田やり直す。
C76. 完成L−AMP基板 洗浄後防湿材を塗る。
C77. 修理前 L−AMP基板裏。
C78. 修理(半田補正)後 L−AMP基板裏。 全半田やり直す。
C79. 完成L−AMP基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C81. 修理前 L−AMP−側TR(トランジスター)。
C82. 修理中 L−AMP−側TR(トランジスター)、マイカー絶縁をシリコンに交換。
C83. 修理後 L−AMP−側TR(トランジスター)。
C84. 修理前 L−AMP−側基板。
C85. 修理後 L−AMP−側基板。抵抗4本、電解コンデンサー2個交換。 全半田やり直す。
C86. 完成L−AMP−側基板 洗浄後防湿材を塗る。
C87. 修理前 L−AMP−側基板裏。
C88. 修理(半田補正)後 L−AMP−側基板裏。 全半田やり直す。
C89. 完成L−AMP−側基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C91. 修理前 入出力基板
C92. 修理後 入出力基板 電解コンデンサー1個交換
C93. 完成入出力基板 洗浄後防湿材を塗る。
C94. 修理前 入出力基板裏
C95. 修理(半田補正)後 入出力基板裏。 全半田やり直す。
C96. 完成入出力基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
CA1. 修理前 VU−AMP基板
CA2. 修理後 VU−AMP基板 半固定VR2個、電解コンデンサー2個、IC10個交換
CA3. 完成VU−AMP基板 洗浄後防湿材を塗る。
CA4. 修理前 VU−AMP基板裏
CA5. 修理(半田補正)後 VU−AMP基板裏。 全半田やり直す。
CA6. 完成VU−AMP基板裏  洗浄後防湿材を塗る。
CB1. 修理前 電源ケーブル取付部。
CB2. 修理中 3Pインレット取り付け穴。
CB3. 修理中 3Pインレット取り付け穴加工。
CB4. 修理後 3Pインレット取り付け。 FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ使用。
CC1. 修理前 入力端子郡。
CC2. 修理中 入力端子郡。PHONE入力をキャノン(XLR)に交換する為の穴拡張。左=PHONE入力、右=キャノン(XLR)。
CC3. 修理(交換)後 入力端子郡。PHONE入力をキャノン(XLR)に交換。
CD1. 修理前 上蓋固定ビスを受ける埋め込みナットが無い。このビスが無いと前パネルが固定されない。
CD2. 修理後 上蓋固定ビスを受ける埋め込みナットを取り付ける、ミリビスに変更。
CE. 修理後 ヒューズ4本増設
CF. 交換部品
CG1. 修理前 上から見る
CG2. 修理後 上から見る
E. 測定・調整。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E0. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E1. 50Hz入力、R側SP出力電圧45V=253W出力、 0.0049%歪み。
             L側SP出力電圧45V=253W出力、 0.0052%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E2. 100Hz入力、R側SP出力電圧44V=242W出力、 0.0048%歪み。
             L側SP出力電圧45V=253W出力、 0.0053%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E3. 500Hz入力、R側SP出力電圧45V=253W出力、 0.0047歪み。
             L側SP出力電圧45V=253W出力、 0.0042%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E4. 1kHz入力、R側SP出力電圧45V=253W出力、 0.0077%歪み。
            L側SP出力電圧45V=253W出力、 0.0075%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E5. 5kHz入力、R側SP出力電圧45V=253W出力、 0.021%歪み。
            L側SP出力電圧45V=253W出力、 0.020%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E6. 10kHz入力、R側SP出力電圧45V=253W出力、 0.0115%歪み。
              L側SP出力電圧45V=253W出力、 0.0134%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E7. 20kHz入力、R側SP出力電圧45V=253W出力、 0.090%歪み。
              L側SP出力電圧44V=242W出力、 0.094%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E8. フルパワーなので、24V高速フアンが全回転でクーリング。
E9. 24時間エージング中。  左=ユーザーが改造に失敗したSAE MARK 2500 再修理。
Y. ユーザー宅の設置状況
Y1. 設置状況
S. BRYSTON 4B の仕様(マニアル・カタログより)
型式 ステレオパワーアンプ BRYSTON 4B
実効出力 400W+400W(4Ω)、 250W+250W(8Ω)
入力感度/インピーダンス RCA:1.4V/50kΩ 1/4フォーン、XLR3:2.8V/20kΩ ※XLR3は2番ホット
全高調波歪率 0.007%以下
周波数特性 1Hz〜100kHz(250W)
SN比 106dB
ダンピングファクター 500(20Hz、8Ω)
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 1350W(最大)
外形寸法 幅483×高さ148×奥行427mm
重量 18kg
価格 380,000(2000年頃)
                      bryston4b-24f
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