SUMO The Power. 3台目修理記録
2018/9/22到着  2019/10完成
注意 このAMPはRB(R)側−SPのアース側にもAMPが入っています
    よって、AMPのシャーシにSPの線(アース側)を接続してはいけません、共通にしてもいけません、終段TRが死にます
A. 修理前の状況
  • オークションで購入しました。
    1年ほど前に買ったアンプですが、試聴中も、今まで一度もファンが回った 事が有りません。
    メンテ無しの個体なので、もしSPを壊してはまずいので、まずスピーカー プロテクタを作ることにしました。
    使用したのは共立のこのキットです
    これはBTLに対応していないので、LとR別にして2台使用しました。
    ファンは、付いていた100Vファンを、まずパソコン用の静音ファンに 交換し、常時回転させる事にしました。
    12V用にトランス式のDCアダプタ を抱かせてあります。
    元のファンコントローラはそのままにして、換わりに100Vブザーを付けました。
    中の基板を見ていると電解コンデンサが古く、気になったので、ニチコン FGに交換しました。
    その後暫く聴いていますと、時折Lチャンネルのプロテクタが作動します。
    それで、また蓋を開けて測定している内に、Lチャンネル出力波形が変になって しまいました。
    ここで止めておけば良かったのですが、まず左右のオペアンプを交換しましたが、 ここでは状況は変わらず。
    更に、定電圧電源基板のICを左右交換した所、Lチャンネルの出力がなくなり ました。
    これでもうお手上げです。
    慎重に作業したつもりなのですが、 何とも情けない限りです。
    またお手間をおかけしまして、申し訳ありません。
  • 工房注記。
    • SUMO ThePowerに付いて。
      400W出力を出す場合、終段TR(トランジスター)を沢山パラレル(SAE MARK 2600)に接続するので、
      電流が多く成り、立ち上がり/立ち下がりの切れが悪くなります。
      そこで、200W出力AMPをカスケード(直列)にする方法が考案されました。
      日本では山水のAU−D907XB−2301Lシリーズが有名です。
      その後、FET(電解トランジスター)が出現して、流れが変わります。
  • スピーカー プロテクタ組み込みに付いて。
    既存の回路(実際の配線)を出来るだけ変更しない。
    この場合共立のこのキットのリレーは基板から取外し、SP接続端子の近くに置く。
    又、SP端子から基板への入力線は、基板の直列(減圧)抵抗を外し、SP接続端子の近くに持ってくる。
    基板への電源はRL共用には十分注意する事。
  • 冷却ファン付いて。
    バイメタルのON/OFF制御でなく、動作温度/停止温度自由設定のサーモによるON/OFF制御です。
    この回路もRL別電源です。

B. 原因
  • 各部経年劣化及び修理技能・技術不足による事故。
    電源基板挿入時に「B(R)側のピン」を折り、その為AMPのバランスが崩れて、終段AMP基板上の安全ヒューズ10Aが飛んだ。
    この様な人的な事故は、他の部品に強烈なストレスを与え、後々尾を引くことが多い。


C. 修理状況
  • OP−AMP交換。
    半固定VR交換。
    電解コンデンサ−交換=オーディオ・コンデンサー(ミューズ)使用。
    配線手直し、補強。
    経年劣化による各部ハンダ補正。
    複合TR(トランジスター)交換。

D. 使用部品
  • OP−AMP                          8個。
    半固定VR                          14個。
    電解コンデンサー                      34個。
    抵抗                              2本。
    フイルムコンデンサー                     4個。
    TR(トランジスター)                      8個。

E. 調整・測定

F. 修理費  50,000円+梱包費(助っ人費)=5,000円    通常修理。
                            3台目からの、お馴染みさん価格。

S. SUMO The Power の仕様(マニアル・カタログより)

A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前右から見る
A13. 点検中 後から見る
A14. 点検中 後から見る。 入力端子郡。
A15. 点検中 後から見る。 A(左)側−SP接続端子。
A16. 点検中 後から見る。 B(右)側−SP接続端子。
A17. 点検中 後から見る。 ACコード取り付け部。
A18. 点検中 後左から見る
A19. 点検中 上から見る
A20. 点検中 前・上・下パネルを取り、上から見る。 電解コンデンサー交換してある。
           AMPに向かってL側=A(L)側、R側=B(R)側。
A21. 点検中 前・上・下パネル、絶縁紙を取り、上から見る。 電解コンデンサー交換してある。
A22. 点検中 前・上・下パネル、入力基板を取り、上から見る。 電解コンデンサー交換してある。
A23. 点検中 前・上・下パネルを取り、A(L)側・B(R)側−AMP基板、上から見る。 電解コンデンサー交換してある。
           AMPに向かってL側=A(L)側、R側=B(R)側。
A24. 点検中 AMPに向かってL側=A(L)側−終段AMP基板上の安全ヒューズ10Aが飛んでいる。
A31. 点検中 下前から見る
A32. 点検中 下前左から見る
A33. 点検中 下後から見る
A34. 点検中 下後右から見る
A35. 点検中 下から見る。
A36. 点検中 前・上・下パネルを取り、下から見る
A37. 点検中 前・上・下パネルを取り、下前から見る。 交換されたDCフアン。
A41. 点検中 使用する電解コンデンサーの比較。
           原則電源回りにKZを使用しますが、大きさ・電気性能が異なるので、使用出来ない場所があります。
                    左=nichiconKZ、中=nichiconFG(FinGold)、右=nichiconFX(在庫のみ)
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C11. 修理前 定電圧基板。 L側=A(L)側、R側=B(R)側。
C112. 修理中 定電圧基板。 L側=A(L)側−基板コネクターピンが破損している。
C113. 修理中 定電圧基板。 L側=A(L)側−基板コネクターピンが破損している。
C12. 修理後 定電圧基板、半固定VR2個、電解コンデンサー6個交換
C13. 修理前 定電圧基板裏
C132. 修理中 定電圧基板裏。  R側=B(R)側−半田屑がブリッジ寸前。
C14. 修理(半田補正)後 定電圧基板裏。 セラミックコンデンサー12個追加。
C16. 完成定電圧基板裏、洗浄後
C21. 修理前 入力AMP基板。反対取り付けなので、下部=L側=A(L)側、上部=R側=B(R)側。
C23. 修理後 入力基板、OP−AMP4個、半固定VR8個、電解コンデンサー4個、フイルムコンデンサー2個交換
C24. 修理前 入力基板裏。反対取り付けなので、上部=L側=A(L)側、下部=R側=B(R)側。
C25. 修理(半田補正)後 入力基板裏
C26. 完成入力基板裏、洗浄後
C31. 修理前 A(L)側−AMP基板。
C32. 修理後 A(L)側−AMP基板。
               OP−AMP2個、半固定VR2個、電解コンデンサー4個、フイルムコンデンサー3個交換
C33. 修理前 A(L)側−AMP基板裏
C34. 修理(半田補正)後 A(L)側−AMP基板裏
C36. 完成A(L)側−AMP基板裏、洗浄後
C41. 修理前 B(R)側−AMP基板
C42. 修理後 B(R)側−AMP基板。
             OP−AMP2個、半固定VR2個、電解コンデンサー4個、フイルムコンデンサー2個交換
C43. 修理前 B(R)側−AMP基板裏
C44. 修理(半田補正)後 B(R)側−AMP基板裏
C46. 完成B(R)側−AMP基板裏、洗浄後
C51. 交換部品
E. 測定・調整。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E0. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
        表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
        表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
         よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E1. 50Hz入力、A(L)側−SP出力電圧 56V=392W出力、 0.0099%歪み。
              B(R)側−SP出力電圧58V=420.5W出力、 0.0110%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E2. 100Hz入力、A(L)側−SP出力電圧57V=406W出力、 0.0126%歪み。
              B(R)側−SP出力電圧58V=420.5W出力、 0.0122%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E3. 500Hz入力、A(L)側−SP出力電圧58V=420.5W出力、 0.017歪み。
              B(R)側−SP出力電圧58V=420.5W出力、 0.017%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E4. 1kHz入力、A(L)側−SP出力電圧58V=420.5W出力、 0.023%歪み。
             B(R)側−SP出力電圧58V=420.5W出力、 0.023%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E5. 5kHz入力、A(L)側−SP出力電圧58V=420.5W出力、 0.065%歪み。
            B(R)側−SP出力電圧58V=420.5W出力、 0.066%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E6. 10kHz入力、A(L)側−SP出力電圧58V=420.5W出力、 0.089%歪み。
              B(R)側−SP出力電圧58V=420.5W出力、 0.089%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E7. 20kHz入力、A(L)側−SP出力電圧57V=406W出力、 0.047%歪み。
               B(R)側−SP出力電圧57V=406W出力、 0.047%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E8. 24時間エージングで完成、 左はHMA−9500mkU. 65台目
S. SUMO The Power の仕様(マニアル・カタログより) 
型式 SUMO The Power
定格出力(両ch動作) 400W+400W(8Ω、20Hz〜20kHz)
アスピーカーインピーダンス 2〜16Ω
全高調波歪率 0.5%
周波数特性 20〜20kHz
SN比 100dB
ダンピングファクター 300
入力感度/インピーダンス 1.35V
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
定格消費電力(電気用品取締法) W
外形寸法 幅483×高さ267×奥行318mm
重量 本体=36kg
価格 94.5万円(1979年発売)
                      sumo_po31i
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