HCA−9000. 2台目修理記録
同時修理 HMA−9500mkU.71台目  2023/10/26.持込   2024/1/19完成 
A. 修理前の状況
  • 新品購入後40年以上経過している物です。 (私の相棒のような存在です)
    オーバーホール修理です。

B. 原因・現状
  • 各部経年劣化により歪みが多い。
    R側MCヘッドアンプ故障。
    ヒューズ入り抵抗劣化。

C. 修理状況
  • 全電解コンデンサー交換。
    半固定VR交換。
    1部TR(トランジスター)交換。
    全ヒューズ入り抵抗交換。
    1部フイルムコンデンサー交換・追加。
    RCA端子交換


D. 使用部品
  • オーディオ用電解コンデンサー   41個(ニチコン・ミューズ使用)
    半固定VR                6個。
    フイルムコンデンサー         4個。
    TR(トランジスター)          33個。
    抵抗                   8個。
    テフロン絶縁RCA端子    10組20個。


E. 調整・測定

F. 上位測定器による 調整・測定

F. 修理費
         140,000円
                 オーバーホール修理。

Y. ユーザー宅の設置状況

S. HCA−9000 の仕様(カタログ・マニアルより)

A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前右から見る
A13. 点検中 後から見る
A15. 点検中 後左から見る
A21. 点検中 上から見る
A22. 点検中 上下蓋を取り、上から見る
A23. 点検中 上下蓋を取り、上から見る。埃は少ない。
A24. 点検中 上下蓋を取り、上から見る。埃は少ない。
A25. 点検中 上下蓋を取り、清掃後上から見る
A25. 点検中 上下蓋を取り、清掃後上から見る。劣化したヒューズ入り抵抗。
A31. 点検中 下前から見る
A32. 点検中 下前左から見る
A33. 点検中 下後から見る
A34. 点検中 下後右から見る
A41. 点検中 下から見る。
A42. 点検中 上下蓋を取り、下から見る
A51. 点検中 ACコード−接続位置。
A52. 点検中 ACコード−を取り、3Pインレット取り付け可能。
A61. 点検中 入力RCA端子。
A62. 点検中 テフロン絶縁製に交換。
A71. 点検中 使用されていたRCA端子。 中心電極は上下で挟む方式。
A72. 点検中 使用されていたRCA端子。 挟み込むタイプなので、接触は2点(2線)のみ。
A73. 点検中 使用されていたRCA端子。 拡大。
A74. 点検中 交換するテフロン絶縁製RCA端子。 中心電極は円筒状で4つ割方式。
A75. 点検中 WBT製RCA端子 WBT−0201。 さらに複雑な構造で「カチ」と差し込み感を与える。
A76. 点検中 最近の「RCAプラグ」の中心電極は2割になっているので接触不良が起きにくい。
C. 修理状況
C11. 修理中 基板全体。
C12. 修理後 基板全体。
C13. 修理中 基板全体裏。
C14. 修理(半田補正)後 基板全体裏。  全ての半田をやり修す。
C15. 完成基板全体裏。  洗浄後防湿材を塗る。
C21. 修理前 EQ−HEAD-AMP部基板。
C22. 修理後 EQ−HEAD-AMP部基板。TR(トランジスター)4個交換。
C23. 修理前 EQ−HEAD-AMP部基板裏。
C24. 修理(半田補正)後 EQ−HEAD-AMP部基板裏。  全ての半田をやり修す。
C25. 完成EQ−HEAD-AMP基板基板裏。  洗浄後防湿材を塗る。
C31. 修理前 入出力RCA端子。
C32. 修理(交換)後 入出力ECA端子。
C41. 修理前 EQ−AMP部基板。
C42. 修理後 EQ−AMP部基板。電解コンデンサー4個、半固定VR4個、TR(トランジスター)4個交換。
C43. 修理前 EQ−AMP部基板裏。
C44. 修理(半田補正)後 EQ−AMP部基板裏。  全ての半田をやり修す。フイルムコンデンサー2個、セラミックコンデンサー2個追加。
C45. 完成EQ-AMP部基板裏。  洗浄後防湿材を塗る。
C51. 修理前 バッファーAMP部基板。
C52. 修理後 バッファーAMP部基板。半固定VR2個、TR(トランジスター)4個交換。
C53. 修理前 バッファーAMP部基板裏。 
C54. 修理(半田補正)後 バッファーAMP部基板裏。  全ての半田をやり修す。
C55. 完成バッファーAMP・SWコントロール部基板裏。  洗浄後防湿材を塗る。
C61. 修理前 電源部基板。
C62. 修理中 電源部基板。 トルエン溶媒の接着剤。
C63. 修理後 電源部基板。 トルエン溶媒の接着剤を取り去り、コート液を塗布後。
C64. 修理後 電源部基板。電解コンデンサー20個、抵抗4個、TR(トランジスター)4個交換。
C65. 修理前 電源部基板裏。
C66. 修理(半田補正)後 電源部基板裏。  全ての半田をやり修す。フイルムコンデンサー2個追加。
C67. 完成電源部基板裏。  洗浄後防湿材を塗る。
C68. 修理前 電源部基板2。電解コンデンサー10個、抵抗8個、TR(トランジスター)4個交換。
C69. 修理後 電源部基板2。
C6A. 修理前 電源部基板2裏。
C6B. 修理(半田補正)後 電源部基板裏。  全ての半田をやり修す。
C6C. 完成電源部基板2裏。  洗浄後防湿材を塗る。
C71. 修理前 SW部基板。
C72. 修理後 SW部基板。
C73. 修理前 SW部基板裏。
C74. 修理(半田補正)後 SW部基板裏。  全ての半田をやり修す。
C75. 完成SW部基板裏。  洗浄後防湿材を塗る。
C81. 清掃中 主VR、接点復活材を使用する為に空けられた2個の穴。このシートを取るのが面倒な為。
C91. 修理中 ツマミ接着。
CA1. 交換部品。
CA2. 交換部品、左=交換する電解コンデンサー、4700μF/63VW。右=付いていた電解コンデンサー、2200μF/63VW。
CA3. 交換部品。 足黒TR(トランジスター)。
CB1. 修理前 上から
CB2. 修理後 上から
CB3. 修理前 下から
CB4. 修理後 下から
CC1. 完成後から見る。
CC2. 完成後から見る。 使用しないRCA端子にはキャップを付ける。
CC3. 完成後から見る。 使用しないPHONO入力RCA端子にはショウトピンを付ける。
E. 調整・測定。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E0. 出力・歪み率測定・調整。
    「見方」。
   上段中 右側出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E11. AUX_50Hz入力、R側出力電圧=2V、 0.00183%歪み。
                 L側出力電圧=2V、 0.00192%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E12. AUX_100Hz入力、R側出力電圧=2V、 0.00183%歪み。
                   L側出力電圧=2V、 0.00182%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E13. AUX_500Hz入力、R側出力電圧=2V、 0.00173%歪み。
                   L側出力電圧=2V、 0.00173%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E14. AUX_1kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.00167%歪み。
                  L側出力電圧=2V、 0.00172%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E15. AUX_5kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.00263%歪み。
                 L側出力電圧=2V、 0.00267%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E16. AUX_10kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.00283%歪み。
                   L側出力電圧=2V、 0.00288%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E17. AUX_50kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.00183%歪み。
                  L側出力電圧=2V、 0.00192%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=125kHz、右=500kHz。
E18. AUX_100kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.00297%歪み。
                   L側出力電圧=2V、 0.00214%歪み。
                   「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=125kHz、右=500kHz。
E21. MM_50Hz入力、 R側出力電圧=2V、 0.00820%歪み。
     PHONO_2入力、 L側出力電圧=2V、 0.00776%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. MM_100Hz入力、R側出力電圧=2V、 0.00572%歪み。
                  L側出力電圧=2V、 0.00571%歪み。
                   「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. MM_500Hz入力、R側出力電圧=2V、 0.00588%歪み。
                  L側出力電圧=2V、 0.00786%歪み。
                   「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. MM_1kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.00550%歪み。
                 L側出力電圧=2V、 0.00712%歪み。
                      「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. MM_5kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.00707%歪み。
                 L側出力電圧=2V、 0.00965%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E26. MM_10kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.00734%歪み。
                 L側出力電圧=2V、 0.01076%歪み。
                   「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. MM_50kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.0260%歪み。
                  L側出力電圧=2V、 0.0408%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=125kHz、右=500kHz。
E41. MC_50Hz入力、 R側出力電圧=2V、 0.01012%歪み。
     PHONO_1入力、 L側出力電圧=2V、 0.00709%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E42. MC_100Hz入力、R側出力電圧=2V、 0.00768%歪み。
                  L側出力電圧=2V、 0.00584%歪み。
                   「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E43. MC_500Hz入力、R側出力電圧=2V、 0.00696%歪み。
                 L側出力電圧=2V、 0.00605%歪み。
                   「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E44. MC_1kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.00669%歪み。
                L側出力電圧=2V、 0.00564%歪み。
                      「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E45. MC_5kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.00650%歪み。
                L側出力電圧=2V、 0.00522%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E46. MC_10kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.0263%歪み。
                  L側出力電圧=2V、 0.0277%歪み。
                   「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E47. MC_50kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.0395%歪み。
                 L側出力電圧=2V、 0.0454%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=125kHz、右=500kHz。
F. 上位測定器による 調整・測定。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
F0. 下のオーディオアナライザーVP−7732Aで自動測定
F1. 入出力特性測定(AUX入力)
        AUX入力端子へ150mV一定入力 VRはmax。
        平均で1V出力   左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F2. 歪み率特性測定(AUX入力)
        AUX入力端子へ150mV一定入力 VRはmax。
        左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F3. 入出力特性測定(MM入力)=PHONO−2、47kΩ。
      MM入力 入力電圧=2mV一定入力 VRはmax   左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F4. 入出力特性測定(MC入力)=PHONO−1、100kΩ。
      MC入力端子へ0.2mV入力 VRはmax   左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F5. 入出力特性測定(MC入力)=PHONO−1、100kΩ+EQ15Hzフイルター。
      MC入力端子へ0.2mV入力 VRはmax   左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
Y. ユーザー宅の設置状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
Y1. 設置状況、 全体正面から見る。
S. HCA−9000 の仕様(カタログ・マニアルより) 
型式 プリアンプ HCA−9000
回路方式 MCヘッドアンプ=ICL DC構成
イコライザーアンプ=ICL DC構成NF形
フラットアンプ=ICL DC構成
入力感度/インピーダンス Phono1、2 MM=2.5mV/100Ω、22kΩ、47kΩ、100kΩ
          100pF、200pF、300pF、400pF
Phono1、2 MC=0.25mV/30Ω、100Ω
Tuner、Aux、Tape1、2=150mV/47kΩ
出力レベル/インピーダンス Rec out=150mV/600Ω(最大20V以上)
Output=1V(最大20V以上)/30Ω(0〜-40dB)
Phono最大許容入力
(1kHz、RMS、THD0.01%)
Phono1、2 MM=350mV
Phono1、2 MC=35mV
高調波歪率(20Hz〜20kHz) Phono1、2 MM=0.005%以下(AT Rec out Level 1V)、0.005%以下(AT Rec out Level 4V)
Phono1、2 MC=0.01%以下(AT Rec out Level 1V)、0.005%以下(AT Rec out Level 4V)
Tuner、Aux=0.005%以下(AT Output Level 1V)、0.003%以下(AT Output Level 4V)
周波数特性 Phono1、2=RIAA±0.2dB(20Hz〜20kHz)
Tuner、Aux、Tape1、2=5Hz〜100kHz +0 -1dB
SN比(IHF、Aネットワーク) Phono1、2 MM=90dB(AT Input Level 2.5mV)
Phono1、2 MC=76dB(AT Input Level 0.25mV)
Tuner、Aux、Tape1、2=100dB(AT Input Level 150mV)
フィルター遮断特性(Phono入力のみ) 15Hz、6dB/oct
混変調歪率(60Hz:7kHz=4:1) 0.002%以下(AT Output Level 7V)
残留雑音 5μV以下
使用半導体 トランジスタ=81個、FET=24個、ダイオード=61個
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 45W
ACアウトレット 電源スイッチ連動=2系統、max150W、電源スイッチ非連動=2系統、max400W
外形寸法 幅435x高さ80x奥行377mm
重量 8.4kg
価格 ¥200,000(1台、1979年頃)
                       hca9000-22p
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