Sony Esprit TA−E900 修理記録
2019/3/10到着     11/9完成
A. 修理前の状況
  • ヤフオクで入手したものでメンテナンス歴は不明。
    しばらく使用してみましたが特に不具合は感じません。
    ファンクション(スナップSW)の切替時に少し雑音がでますが、 使用するのに問題はありませんでした。
    35年くらい前、発売された当時からいつか購入したいと想い続けていた製品ですが、もう諦めかけていた時にようやく入手できました。
    流石に35年くらい経過したものですので、オーバーホールが 必要だと思っております。
    なお、入出力RCA端子は、現状不具合ありませんが、ストレス が掛かる箇所でもあり、WBT製などの高信頼RCA端子が使える のであれば全数交換を希望いたします。

T. 修理前点検測定

B. 原因・現状
  • 経年変化による各部劣化。


C. 修理状況

D. 使用部品
  • オーディオ用電解コンデンサー          個(ニチコン・ミューズ使用)。
    半固定VR                       個。
    フイルムコンデンサー                個。
    制御リレー                      4個。
    3Pインレットに交換。FURUTECH製FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ。 1個


E. 調整・測定

F. 上位測定機器での調整・測定

G. 修理費   105,000円   オーバーホール修理。

Y. ユーザー宅の設置状況

S. Sony/Esprit TA−E900 の仕様(マニアル・カタログより)

A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前右から見る
A13. 点検中 後から見る
A14. 点検中 後左から見る
A15. 点検中 上から見る
A16. 点検中 上から見る、入出力RCA端子郡。
A17. 点検中 上から見る、入出力RCA端子郡。 WBT RCAプラグは外側スリーブを外さないと挿入出来ない。
A18. 点検中 上から見る。 上蓋止めビス穴がなめている。
A19. 点検中 上蓋を取り、上から見る
A1A. 点検中 上蓋裏に貼られた鉛テープ。
A1B. 点検中 上蓋裏に貼られた鉛テープ。 鉛にはアースも取っていない。
A21. 点検中 下前から見る
A22. 点検中 下前左から見る
A23. 点検中 下後から見る
A24. 点検中 下後右から見る
A25. 点検中 下から見る
A26. 点検中 下蓋を取り、下から見る
A27. 点検中 下蓋裏、 鉛テープ無。
A31. 点検中 入出力RCA端子のカバーはプラスチック製。
A32. 点検中 入出力RCA端子郡は基板に直付けされている。基板裏に回路があり、間隔も狭いので交換不可。
A41. 点検中 入力RCA端子郡回りのシールド兼補強、何回も修理したのかトメビスがなめている。
                半固定VRにはしっかりとビス固定材が染み込ませてある。
A51. 点検中 電源コード取り付け部、 この位置に3Pインレット取り付け可能。
A61. 点検中 この基板は見た目より熱容量が大きく(銅箔が厚い)、又狭いので、下記の3種のコテが必要。
T. 調整・測定。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
T0. 出力・歪み率測定・調整。
    「見方」。
   上段中 右側出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
T1. AUX 1kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.187%歪み。
                L側出力電圧=2V、 0.185%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
T2. AUX 10kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.169%歪み。
                 L側出力電圧=2V、 0.170%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
T3. MM 1kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.794%歪み。
                L側出力電圧=2V、 2.37%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
T4. MM 10kHz入力、R側出力電圧=2V、 1.345%歪み。
                 L側出力電圧=2V、 1.51%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C11. 修理前 R側AMP基板
C12. 修理後 R側AMP基板。 電解コンデンサ−7個、半固定VR3個交換
C13. 修理前 R側AMP基板裏
C14. 修理(半田補正)後 R側AMP基板裏、 全ての半田をやり修す
C15. 完成R側AMP基板裏、 洗浄後防湿材(コート液)を塗る。
C21. 修理前 L側AMP基板
C22. 修理後 L側AMP基板 電解コンデンサ−7個、半固定VR3個交換
C23. 修理前 L側AMP基板
C24. 修理(半田補正)後 L側AMP基板裏  全ての半田をやり修す
C25. 完成L側AMP基板裏、 洗浄後防湿材(コート液)を塗る。
C31. 修理前 電源基板
C32. 修理後 電源基板 電解コンデンサ−12個交換
C33. 修理前 電源基板裏
C34. 修理(半田補正)後 電源基板裏、  全ての半田をやり修す
C36. 完成電源基板裏、 乾燥後コート液を塗る。
C41. 修理前 修理前 電源コード取付部。
C42. 修理中 3Pインレット取付穴加工中。
C43. 修理後 電源コードを3Pインレットに交換。FURUTECH製FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ。
C44. 修理後 3Pインレット裏配線。 アースはしっかりと取る。
C51. 修理前 入力RCA端子郡回りのシールド兼補強、何回も修理したのかトメビスがなめている。
C52. 修理後 ビス頭を+専用を−にも対応。
C61. 修理前 上蓋裏に貼られた鉛テープ。
C62. 修理後 上蓋裏に貼られた鉛テープ。折角なので鉛テープを同電位にして、シールド製を高める。
C71. 修理前 上蓋止めビス穴がなめている。
C72. 修理後 上蓋止めビス穴。 タップを立てる。
C91. 交換部品 
C92. 交換部品、ブロック電解コンデンサー。 左=付いていた2200μ/50V、右=交換する6800μ/50V。
CA1. 修理前 上から
CA2. 修理後 上から
CA3. 修理前 下から
CA4. 修理後 下から
E. 調整・測定。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E0. 出力・歪み率測定・調整、「電源電圧は50HZ 100V」。
    「見方」。
   上段中 右側出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E11. AUX 50Hz入力、R側出力電圧=2V、 0.00428%歪み。
                 L側出力電圧=2V、 0.00402%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E12. AUX 100Hz入力、R側出力電圧=2V、 0.00428%歪み。
                  L側出力電圧=2V、 0.00404%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E13. AUX 500Hz入力、R側出力電圧=2V、 0.00402%歪み。
                  L側出力電圧=2V、 0.00391%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E14. AUX 1kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.00406%歪み。
                 L側出力電圧=2V、 0.0395%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E15. AUX 5kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.00400%歪み。
                 L側出力電圧=2V、 0.00388%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E16. AUX 10kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.00407%歪み。
                  L側出力電圧=2V、 0.00395%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E17. AUX 50kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.00432%歪み。
                  L側出力電圧=2V、 0.00428%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E18. AUX 100kHz入力、R側出力電圧=1.8V、 0.00712%歪み。
                   L側出力電圧=1.8V、 0.00702%歪み。
                   「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E21. MM 50Hz入力、R側出力電圧=2V、 0.00594%歪み。
                 L側出力電圧=2V、 0.0588%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. MM 100Hz入力、R側出力電圧=2V、 0.00647%歪み。
                  L側出力電圧=2V、 0.00638%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. MM 500Hz入力、R側出力電圧=2V、 0.00609%歪み。
                  L側出力電圧=2V、 0.00658%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. MM 1kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.00657%歪み。
                 L側出力電圧=2V、 0.00695%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. MM 5kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.00441%歪み。
                 L側出力電圧=2V、 0.00454%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E26. MM 10kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.00509%歪み。
                  L側出力電圧=2V、 0.00537%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. MM 50kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.00673%歪み。
                  L側出力電圧=2V、 0.00726%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E31. MC_50Hz入力、 R側出力電圧=2V、 0.00744%歪み。
                 L側出力電圧=2V、 0.00732%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E32. MC_100Hz入力、R側出力電圧=2V、 0.00638%歪み。
                  L側出力電圧=2V、 0.00633%歪み。
                   「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E33. MC_500Hz入力、R側出力電圧=2V、 0.00592%歪み。
                 L側出力電圧=2V、 0.00638%歪み。
                   「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E34. MC_1kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.00712%歪み。
                L側出力電圧=2V、 0.00758%歪み。
                      「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E35. MC_5kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.00507%歪み。
                L側出力電圧=2V、 0.00534%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E36. MC_10kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.00721%歪み。
                 L側出力電圧=2V、 0.00719%歪み。
                   「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E37. MC_50kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.00854%歪み。
                 L側出力電圧=2V、 0.00881%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=125kHz、右=500kHz。
F. 上位測定器による 調整・測定。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
F0. 下のオーディオアナライザーVP−7732Aで自動測定。  「電源電圧は50HZ 100V」
F1. 入出力特性測定(AUX入力)
        AUX入力端子へ150mV一定入力 VRはmax 平均で2V出力   左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F2. 歪み率特性測定(AUX入力)
        AUX入力端子へ150mV一定入力 VRはmax  左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F3. 入出力特性測定(MM入力)=PHONO−1
       MM入力 入力電圧=1.5mV一定入力 VRはmax   左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F4. 入出力特性測定(MC入力)=PHONO−1((Head amp ON)。
       MC入力 入力電圧=0.11mV一定入力 VRはmax   左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F5. 引き続き24時間エージング。 左は TEAC PA−7
Y. ユーザー宅の設置状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
Y1. 設置状況、 正面から見る。
S. Sony TA−E900 の仕様(マニアル・カタログより)
型式 DCプリアンプ TA−E900
回路方式 ヘッドアンプ=カスコード接続ベース接地コンプリメンタリープッシュプルアンプ
イコライザーアンプ、インプットバッファアンプ、フラットアンプ=
  • 初段=カスコードブートストラップ差動アンプ
    2段目=カスコード接続差動アンプ、 カスコード接続カレントミラー負荷
    出力段=ダーリントン接続エミッタホロワ、 シングルエンドプッシュプル出力
         (イコライザーはNF型)
電源部=左右独立2段差動検出アンプによる定電圧電源
入力感度/インピーダンス Phono1=2.5mV/50kΩ/100pH
Phono1(Head amp 40Ω)=0.2mV/4Ω
Phono1(Head amp 4Ω)=0.035mV/4Ω
Phono2=2.5mV/25kΩ、50kΩ、100kΩ/100pF、200pF、400pF
Phono2(Head amp 40Ω)=0.2mV/4Ω
Phono2(Head amp 4Ω)=0.035mV/4Ω
Tuner、Aux、Tape1、2=150mV/50kΩ
最大許容入力(1kHz) Phono1=180mV
Phono1(Head amp 40Ω)=15mV
Phono1(Head amp 4Ω)=2.5mV
Phono2=180mV
Phono2(Head amp 40Ω)=15mV
Phono2(Head amp 4Ω)=2.5mV
Tuner、Aux、Tape1、2=12V
S/N(IHF-Aネットワーク) Phono1=84dB
Phono1(Head amp 40Ω)=72dB(入力換算雑音 -158dB/V)
Phono1(Head amp 4Ω)=65dB(入力換算雑音 -158dB/V)
Phono2=84dB
Phono2(Head amp 40Ω)=72dB(入力換算雑音 -158dB/V)
Phono2(Head amp 4Ω)=65dB(入力換算雑音 -158dB/V)
Tuner、Aux、Tape1、2=102dB
出力レベル/インピーダンス Rec out1、2=150mV(最大12V)/100Ω
Output1、2=1.5V(最大12V)/100Ω
高調波歪率 0.005%以下(8V出力時)
混変調歪率 0.005%以下(8V出力時、60Hz=7kHz=4=1)
周波数特性 Phono1、2=RIAAカーブ ±0.2dB
Tuner、Aux、Tape1、2=DC〜300kHz +0 -1dB
フィルター(Phono入力) Low=12dB/oct(カットオフ周波数15Hz)
残留ノイズ 12μV(IHF-Aネットワーク)
補助電源コンセント Switched=1系統、最大450W
Unswitched=1系統、最大450W
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 18W
外形寸法 幅480x高さ105x奥行455mm
重量 13kg
ラックマウント JIS標準ラック(取り付けピッチ50mm)で可能
付属品 ショートプラグx2
防塵キャップx18
価格 ¥600,000(1981年発売)
                     tae900_2b
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