LUX SQ-38FD. 9台目修理
 同時修理 THORENS TD125U.2台目   2020/1/13到着  完成
A. 修理前の状況
  • 新品で購入しました。
    1994年の暮れにスピーカーからノイズがでるため市内の量販店に修理にだしたところ、
    翌年95年1月17日の阪神大震災に修理先の倉庫で被災し、行方不明となる。
    数ヶ月後、修理を終えて戻ってきましたが、故障は直っていませんでした。
    オーバーホールしたかどうかも不明です。
    メインシステムをトランジスタ式のチャンネルアンプ方式に変えたため、本機の出番がなくなり、
    そのまま放置して、時間がたち修理はあきらめていました。
    今回、本サイトに出会い修理できるものなら、もう一度 SANSUI SP-LE8Tを鳴らしたいと思います。



B. 原因
  • 左出力トランス層間絶破壊
    経年変化による劣化。

T. 長期休眠の機器は通電前に、トランスの水分抜き処理

O. LUX OY15−5 出力トランス点検
  • 現在オークションでは直流抵抗を測定して、良否を表示しているが、完璧ではありません。
    正確には、交流電圧を入力し、各巻き線の出力電圧を点検する。

C. 修理状況
  • 出力真空管「50CA10」ソケット交換。
    Miniature Tubes管ソケット交換。
    電解コンデンサ交換。
    ブロック電解コンデンサー交換。
    整流ダイオード交換。
    半固定VR交換。
    配線手直し、補強。
    各部ハンダ補正。


U. TubeTester HickokTV−2B/Uによる付属真空管測定 別ファイルが開きます。
V. TubeTester HickokTV−2B/Uによる購入真空管測定   別ファイルが開きます

K. 裏パネルと木製ケース修理   別ファイルが開きます

D. 使用部品
  • 出力真空管「50CA10」ソケット           4個。
    Miniature Tubes管ソケット交換            8個。
    電解コンデンサ                      個。
    ブロック電解コンデンサ                 4個。
    フイルムコンデンサ−                  個。
    半固定VR                        6個。
    整流ダイオード                     8個。


E. 調整・測定

F. 上位測定器によるプリAMP調整・測定

G. 修理費         168,000円   オーバーホール修理、中古出力トランス1個を含む。
                             但し、真空管は別途です。

Y. ユーザー宅の設置状況

S. LUX SQ-38FD の仕様(マニアル・カタログより)

A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 外観 前から見る
A12. 外観 前右から見る
A13. 外観 後から見る
A132. 外観 後から見る。 ACインレット。
A133. 外観 後から見る。 SP接続端子。
A134. 外観 後から見る。 入出力RCA端子。
A14. 外観 後左から見る
A15. 外観 上から見る
A21. 外観 下前から見る
A22. 外観 下前左から見る
A23. 外観 下後から見る
A24. 外観 下後右から見る
A25. 外観 下から見る
A26. 外観 下から見る。 数回移動した足。
A31. 点検中 木箱から取出し前右から見る。
A32. 点検中 木箱から取出し後左から見る。
A33. 点検中 木箱から取出 上から見る。
A34. 点検中 木箱から取出シールドを取り、上から見る
A35. 点検中 木箱から取出シールド・真空管を取り、上から見る
A36. 点検中 木箱から取出シールドを取り、上から見る。 接点が酸化した入力切替SW。
A37. 点検中 真空管ソケット比較。
A38. 点検中 真空管ソケット比較。
A39. 点検中 真空管ソケット比較。
A3A. 点検中 ブロック電解コンデンサー比較
A3B. 点検中 ブロック電解コンデンサー比較
A41. 点検中 木箱から取出し下前左から見る。
A42. 点検中 木箱から取出し下後左から見る。
A43. 点検中 木箱から取出 下から見る
A44. 点検中 ブロック電解コンデンサーの防爆弁にヒビ。
A45. 点検中 接点が酸化したSW。
A51. 点検中 中国製 50CA10 4本。
A52. 点検中 中国製 50CA10 4本、袴を見る。
A61. 点検中 6267、6AQ8。
A62. 点検中 6267、6AQ8。袴を見る。
A71. 点検中 12AX7(ECC83)
A72. 点検中 12AX7(ECC83)。袴を見る。
T. 長期休眠の機器は通電前に、トランスの水分抜き処理
      左側=出力トランス2個へ、 右側=電源トランスへ。
  • 長い間通電していない「トランスの高圧巻き線」は湿気を含み、絶縁力が落ちているので、
    巻き線に直流を流し、銅損の熱で乾燥させる。巻き線の電流を考慮し、長時間通電する(10〜20時間連続)
O. LUX OY15−5 出力トランス点検。画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
    LUX OY15−5 の仕様。
       1次インピーダンス=5kΩ(P1−B1間+B2−P2間)。
       2次インピーダンス=16Ω(最大)。
       インピーダンス比=5kΩ/16Ω=312.5、 巻き線比=17.68。
       2次16Ω端子にAC5V/1kHzを入力すると、
       1次巻線P1−B1間電圧=P2−B2間電圧=88.39V/2=44.19V。
L1. 点検中 右側出力トランス電圧測定。
    16Ω端子にAC5V/1kHzを入力し、1次巻き線P1−B1間電圧=42.20V、P2−B2間電圧=41.92V。
L2. 点検中 左側出力トランス電圧測定。
    16Ω端子にAC5V/1kHzを入力し、1次巻き線P1−B1間電圧=42.22V、P2−B2間電圧=17.72V。
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C11. 修理前 下から見る。
C12. 修理後 下から見る。
C21. 修理前 上から見る。
C212. 修理中 出力トランス、電解コンデンサーを取り外す。
C213. 修理(清掃)中 
C22. 修理後 上から見る。
C23. 修理後 真空管を挿し、上から見る。
C31. 修理前、メインAMP部。
C32. 修理後、メインAMP部。ユーザーの要望で出力トランス保護の為、50CA10にカソード抵抗挿入。
     50CA10が劣化して、プレートがカソードに短絡しても、このカソード抵抗が焼損し、出力トランスやチョークトランス等を保護する。 短所は、ほんの少しパワーダウンするだけです。
C33. 修理前、電源トランス付近。
C34. 修理後、電源トランス付近。
C35. 修理前、出力トランス付近。
C36. 修理後、出力トランス付近。
C41. 修理前、プリAMP部。
C42. 修理後、プリAMP部。
C51. 修理前、出力真空管50CA10、前段真空管6DT8(6AQ8)、6267のソケット。
C52. 修理中、メインAMP部。 ソケットのピン固定のため、「ジャンク真空管」を挿入して配線を行う。
           使用する「ジャンク真空管」は、本来の出番は決して無い、TV球のダンパー管や高圧整流管です。
C53. 修理後、出力真空管50CA10、前段真空管6DT8(6AQ8)、 6267のソケット。
C61. 修理前、12AX7のソケット。
C62. 修理中、プリAMP部。 ソケットのピン固定のため、「ジャンク真空管」を挿入して配線を行う。
           使用する「ジャンク真空管」は、本来の出番は決して無い、TV球の高圧整流管です。
C63. 修理後、12AX7のソケット。
C71. 修理前 電源SW、SP切替SW。
C81. 修理前 モード切替SW。
C82. 修理前 上から、モード切替SW。
C91. 修理前 バランスVR、メインVR。
CA1. 修理前 トーン・コントロールVR。
CB1. 交換部品。
CB2. 交換部品。
CB3. 交換部品、 電源高圧ブロック電解コンデンサー。
             左=新しい電解コンデンサー(100/100μ/500WV)、右=交換した物(47/47μ/450WV)。
CC1. 完成 前右から見る。
CC2. 完成 後左から見る。
CC3. 完成 後から見る。
E. 測定・調整。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E1. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。

使用 終段出力真空管「50CA10」は16本より、下記の選別品を使用
C組より
 1本目 「50CA10」 Gm=15000μmho、IP=121.1mA。
 2本目 「50CA10」 Gm=15000μmho、IP=132.6mA。
 3本目 「50CA10」 Gm=15000μmho、IP=127.6mA。
A組より 
 1本目 「50CA10」 Gm=13400μmho、IP=115.7mA。
E21. AUX_50Hz入力、R側SP出力電圧16V=32W出力、 0.48%歪み。
                 L側SP出力電圧16V=32W出力、 0.45%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. AUX_100Hz入力、R側SP出力電圧16V=32W出力、 0.19%歪み。
                    L側SP出力電圧16V=32W出力、 0.19%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. AUX_500Hz入力、R側SP出力電圧17V=36W出力、 0.23%歪み。
                    L側SP出力電圧17V=36W出力、 0.13%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. AUX_1kHz入力、R側SP出力電圧17V=36W出力、 0.23%歪み。
                  L側SP出力電圧17V=36W出力、 0.16%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. AUX_5kHz入力、R側SP出力電圧16V=32W出力、 0.25%歪み。
                 L側SP出力電圧16V=32W出力、 0.16%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E26. AUX_10kHz入力、R側SP出力電圧16V=32W出力、 0.33%歪み。
                   L側SP出力電圧16V=32W出力、 0.34%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. AUX_50kHz入力、R側SP出力電圧10V=12.5W出力、 2.5%歪み。
                   L側SP出力電圧 9V=10.1W出力、 5.5%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E31. MM_50Hz入力、R側SP出力電圧17V=36W出力、 0.44%歪み。
                L側SP出力電圧17V=36W出力、 0.69%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E32. MM_100Hz入力、R側SP出力電圧17V=36W出力、 0.28%歪み。
                 L側SP出力電圧16V=32W出力、 0.30%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E33. MM_500Hz入力、R側SP出力電圧17V=36W出力、 0.35%歪み。
                 L側SP出力電圧17V=36W出力、 0.44%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E34. MM_1kHz入力、R側SP出力電圧17V=36W出力、 0.38%歪み。
                L側SP出力電圧17V=36W出力、 0.55%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E35. MM_5kHz入力、R側SP出力電圧17V=36W出力、 0.44%歪み。
                L側SP出力電圧16V=32W出力、 0.51%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E36. MM_10kHz入力、R側SP出力電圧17V=36W出力、 0.55%歪み。
                 L側SP出力電圧17V=36W出力、 0.66%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E37. MM_50kHz入力、R側SP出力電圧8.7V=36W出力、 9.5%歪み。
                 L側SP出力電圧7.2V=36W出力、 6.5%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
F. 上位測定器によるプリAMP調整・測定。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
F1. 下のオーディオアナライザーで自動測定
F21. 入出力特性測定(AUX入力)
        AUX入力端子へ100mV一定入力、VRはmax、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F22. 歪み率特性測定(AUX入力)
        AUX入力端子へ100mV一定入力、VRはmax、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
        20kHzから悪くなっているのは、出力トランス保護の為、ローパスフイルターで出力をおとしている為。
F31. 入出力特性測定(AUX入力) BASS(300HZ) & TREBLE(3KHZ) 最大
        AUX入力端子へ100mV一定入力、VRはmax、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F32. 入出力特性測定(AUX入力) BASS(300HZ) & TREBLE(3KHZ) 最小
        AUX入力端子へ100mV一定入力、VRはmin、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F33. 入出力特性測定(AUX入力) BASS(150HZ) & TREBLE(6KHZ) 最大
        AUX入力端子へ100mV一定入力、VRはmax、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F34. 入出力特性測定(AUX入力) BASS(150HZ) & TREBLE(6KHZ) 最小
        AUX入力端子へ100mV一定入力、VRはmin、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F51. 入出力特性測定(AUX入力) LowFilter(100HZ) & HighFilter(5KHZ) ON
        AUX入力端子へ100mV一定入力、VRはmax、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F52. 入出力特性測定(AUX入力) LowFilter(50HZ) & HighFilter(9KHZ) ON
        AUX入力端子へ100mV一定入力、VRはmax、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F6. 入出力特性測定(MM入力)=PHONO−1
      MM入力、入力電圧=2mV一定入力、VRはmax、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
E4. 完成、 24時間エージング中。 右は Sony TA−F7
Y. ユーザー宅の設置状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
Y1. 設置状況.
Y2. フアンを設置、 供給電圧を半分くらいで回すと静かです。
Y3. レコードプレヤーも接続
S. LUX SQ-38FD の仕様(マニアル・カタログより) 
型式 管球式プリメインアンプ SQ-38FD
連続実効出力 30W+30W(4Ω、8Ω、16Ω)
全高調波歪率 0.7%以下(最大出力時)
周波数特性 20Hz〜20kHz /-1dB
入力感度 Phono1、2= 2.2mV
Aux1、2、3= 200mV
入力インピーダンス Phono1、2= 50kΩ
Aux1、2、3= 200kΩ
SN比 Phono= 60dB以上、 Aux= 70dB以上
トーンコントロール LUX方式、 NF型湾曲点周波数切換付
残留雑音 1mV以下
付属装置 ハイフィルター、 ローフィルター、 メイン部入力レベルセット
テープモニタースイッチ及び端子、 DIN規格テープコネクター
使用真空管 12AX7×4、 6267×2、 6AQ8×2、50CA10×4、
外形寸法 幅476×高さ190×奥行335mm
重量 18kg
価格 98,000円
販売年月 1970年7月
SP. SANSUI SP-LE8T の仕様(マニアル・カタログより) 
方式 1ウェイ・1スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型
ユニット部
ユニット 全帯域用:20cmフルレンジコーン型(LE8T)
インピーダンス
最大許容入力 20W(1973年カタログ記載)
40W(連続プログラム)
磁束密度 8,500gauss
マグネット・アセンブリー重量 3kg
出力音圧レベル 89dB(新JIS)
エンクロージャー部
材質 硬質ホモゲン
仕上げ ウォルナットオイル仕上げ
グリル 檜組格子
総合
外形寸法 幅358x高さ596x奥行300mm
重量 18.3kg
価格 ¥57,900(1台、1973年頃)
¥70,000(1台、1974年頃)
¥69,000(1台、1979年頃)
                            sq38d-91e
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