MusicalFidelity A−1. 21台目修理記録
2023/1/29到着  3/15完成
A. 修理前の状況
  • 私が就職して暫くして少しばかり収入があり、手が届く範囲で高級オーディオ として購入したMusical Fidelityです。
    当時は職業柄(FAソフト開発から工場現場管理へ転属)午前様は当たり前でAssembraと戦っておりました。
    と言う事でこのアンプに灯を入れて楽しむ機会も少なく、還暦も間近となった折り、再び“現役復帰“してもらいたく思っています。
    10年以上通電履歴なし。
    使用中断前の状況(いずれも記憶している内容です。)。
    • セレクター不良(片ch.のみ音がでる箇所、歪む箇所など混在)。
    • セレクタ操作にガリ音発生。
    • セレクタの接触状態で方チャンから音が出なかった。
    • ボリューム操作時にガリ音発生。

T. 終段TR(トランジスター)測定

B. 原因
  • 1部電解コンデンサー容量抜け。
    各部経年劣化。


C. 修理状況

D. 使用部品
  • 電解コンデンサー(オーディオコンデンサー使用) 31個。
    フイルムコンデンサー               4個。
    タイト製のユニバーサル・カップリング       1個。
    テフロン絶縁RCA端子           6組12個。
    SP接続端子                 2組4個。
    フューズ付き3Pインレットソケット        1個。
    2連VR                     1個。
    プッシュSW                   2個。
    OP−AMP                   2個。
    終段エミッター抵抗(低歪タイプ)、福島双羽電機(株)製 4個。

E. 調整・測定

F. 修理費  110,000円   「オーバーホール修理」

Y. ユーザー宅の設置状況

S. MusicalFidelity A−1. の仕様(マニアル・カタログより)

A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る。
A12. 点検中 前右から見る。
A13. 点検中 後から見る。
A14. 点検中 後左から見る。
A15. 点検中 上から見る。
A16. 点検中 上蓋(放熱器)を取り、上から見る。
A17. 点検中、 上蓋裏の放熱シリコングリス。 
A21. 点検中 下から見る。
A22. 点検中 下前から見る
A23. 点検中 下前左から見る
A24. 点検中 下後から見る
A25. 点検中 下後右から見る
A31. 点検中、 右側終段TR(トランジスター)。
A32. 点検中、 左側終段TR(トランジスター)。
A41. 点検中、 入力切り替えSWがかなり揺れる
            カップリングも安い物で、「ユニバーサル型」でないので、この「ブレ」を吸収しない
A51. 点検中 SP接続端子
A52. 点検中  SP接続端子。 WBT−0730PLロジウムメッキ端子に交換可能、穴は横向き。
A53. 点検中  SP接続端子。 一般の端子に交換。
A61. 点検中 電源コード。
A62. 点検中 電源コードをヒューズ付き3Pインレットに交換。
A71. 点検中 入出RCA端子郡
A72. 点検中 入出RCA端子郡、 テフロン絶縁のRCA端子と交換。
A73. 点検中 交換するテフロン絶縁製RCA端子。 中心電極は円筒状で4つ割方式。
A74. 点検中 WBT製RCA端子WBT−0201。 さらに複雑な構造で「カチ」と差し込み感を与える。
A75. 点検中 最近の「RCAプラグ」の中心電極は2割になっているので接触不良が起きにくい。
A81. 点検中 メインVR。右日本製ALPSに交換。
A91. 点検中 終段TR(トランジスター)のエミッター抵抗(低歪タイプ)は測定中して選別使用。福島双羽電機(株)製。
A92. 点検中 終段TR(トランジスター)のエミッター抵抗(低歪タイプ)は測定中して選別使用。福島双羽電機(株)製。
                   222を4本選択する。
AA1. 点検中 電源ブロック電解トランジスター比較。 
           上=交換するTDK製 22000μ/25WV、下=付いている日本ケミコン 10000μ/25WV。
C.修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C10. 修理中 基板等を取り外したシャーシ。 後パネル加工があるので、トランスや電源SWも外す。
C11. 修理前 基板
C12. 修理後 基板 電解コンデンサー31個、OP−AMP2個交換。フイルムコンデンサー9個追加。エミッター抵抗(低歪タイプ)交換福島双羽電機(株)製。
C13. 修理前 基板裏
C14. 修理(半田補正)後 基板裏、 半田を全部やり直す。
C15. 完成基板裏 洗浄後コーテング材を塗る
C21. 修理前 AMP基板
C22. 修理後 AMP基板。
C23. 修理前 AMP基板裏
C24. 修理(半田補正)後 AMP基板裏、 半田を全部やり直す。
C25. 完成AMP基板裏 洗浄後コーテング材を塗る
C31. 修理前 R側AMP基板
C32. 修理後 R側AMP基板
C33. 修理前 R側AMP基板裏
C34. 修理(半田補正)後 R側AMP基板裏、 半田を全部やり直す。
C35. 完成R側AMP基板裏 洗浄後コーテング材を塗る
C41. 修理前 L側AMP基板
C42. 修理後 L側AMP基板。 テープモニターSW交換。
C43. 修理前 L側AMP基板裏
C44. 修理(半田補正)後 L側AMP基板裏、 半田を全部やり直す。
C45. 完成L側AMP基板裏 洗浄後コーテング材を塗る
C51. 修理前  EQ基板
C52. 修理後  EQ基板
C53. 修理前  EQ基板裏
C54. 修理(半田補正)後  EQ基板裏、 半田を全部やり直す。
C55. 完成 EQ基板裏 洗浄後コーテング材を塗る
C61. 修理前  MC基板
C62. 修理後  MC基板。 MC/MM切り替えSW交換。
C63. 修理前  MC基板裏
C64. 修理(半田補正)後  MC基板裏、 半田を全部やり直す。 フイルムコンデンサー1個追加。
C65. 完成MC基板裏 洗浄後コーテング材を塗る
C71. 修理前 電源基板
C72. 修理後 電源基板。 電解コンデンサー4個交換、フイルムコンデンサー4個追加。
C73. 修理前 電源基板裏
C74. 修理(半田補正)後 電源基板裏、 半田を全部やり直す。 フイルムコンデンサー4個追加。
C75. 完成電源基板裏 洗浄後コーテング材を塗る
C81. 修理前 −側電源基板
C82. 修理後 −側電源基板
C83. 修理前 −側電源基板裏
C84. 修理(半田補正)後 −側電源基板裏、 半田を全部やり直す。
C85. 完成 −側電源基板裏 洗浄後コーテング材を塗る
C91. 修理前 +側電源基板
C92. 修理後 +側電源基板
C93. 修理前 +側電源基板裏
C94. 修理(半田補正)後 +側電源基板裏、 半田を全部やり直す。
C95. 完成 +側電源基板裏 洗浄後コーテング材を塗る
CA1. 修理前 SWのカップリング、「ユニバーサル型」でないので、「ブレ」を吸収しない
CA2. 修理後、タイト製のユニバーサル・カップリングを使用。 
CA3. 修理中 入力切換SW。
CA4. 修理(清掃)後 入力切換SW。 カシメ構造なので清掃のみ。
CB1. 修理前 入出力RCA端子
CB2. 修理(交換)後 入出力RCA端子、太いケーブルを使用出来るよう、接着材を使用する。
CB3. 修理前 入出力RCA端子裏。
CB4. 修理(交換)後 入出力RCA端子裏、太いケーブルを使用出来るよう、接着材を使用する。
C1. 修理前 SP接続端子、電源コード
CC2. 修理中 3Pインレット取り付け穴加工中。
CC3. 修理中 3Pインレット取り付け穴加工中。ハンドツールなので加工は大変。
CC4. 修理後 SP接続端子交換、端子の穴は横向き。 電源コードをインレットソケットに交換。
CC5. 修理後 SP接続端子交換、端子の穴は横向き。
CC6. 修理前 SP接続端子裏、電源コード裏。
CC7. 修理後 SP接続端子裏、太いケーブルを使用出来るよう、接着材を使用する。
          インレットソケット裏、アースもしっかり取付。
CD1. 修理中 電源トランス下絶縁ゴムが小さい。
CD2. 修理後 電源トランス下絶縁ゴムが小さいので、厚紙を重ねる。
CE1. 交換部品
CF1. 修理前 上から見る
CF2. 修理後 上から見る。下の基板止めビス3本はこの後取付。
T1. 修理中 L側終段TR(トランジスター)測定、hfe=122、141。
T2. 修理中 R側終段TR(トランジスター)測定、hfe=131,70 
T3. 修理中 R側終段TR(トランジスター)
T4. 修理後 R側終段TR(トランジスター)。 絶縁座、止めビス交換。
T5. 修理中 L側終段TR(トランジスター)
T6. 修理後 L側終段TR(トランジスター)。 絶縁座、止めビス交換。
E. 測定・調整。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E0. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
        表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
        表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E11. CD,50Hz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.315%歪み。
                 L側SP出力電圧15V=28W、 0.391%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E12. CD,100Hz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.277%歪み。
                  L側SP出力電圧15V=28W、 0.374%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E13. CD,500Hz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.273%歪み。
                  L側SP出力電圧15V=28W、 0.326%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E14. CD,1kHz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.260%歪み。
                 L側SP出力電圧15V=28W、 0.309%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E15. CD,5kHz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.1958%歪み。
                 L側SP出力電圧15V=28W、 0.1991%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E16. CD,10kHz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.1110%歪み。
                  L側SP出力電圧15V=28W、 0.1029%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E17. CD,50kHz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.305%歪み。
                  L側SP出力電圧15V=28W、 0.286%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E21. MM,50Hz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.394%歪み。
                  L側SP出力電圧15V=28W、 0.463%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. MM,100Hz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.360%歪み。
                   L側SP出力電圧15V=28W、 0.452%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. MM,500Hz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.336%歪み。
                   L側SP出力電圧15V=28W、 0.395%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. MM,1kHz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.322%歪み。
                 L側SP出力電圧15V=28W、 0.371%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. MM,5kHz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.258%歪み。
                 L側SP出力電圧15V=28W、 0.249%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E26. MM,10kHz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.1517%歪み。
                   L側SP出力電圧15V=28W、 0.1468%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. MM,50kHz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.798%歪み。
                   L側SP出力電圧15V=28W、 1.147%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E3. フルパワーなので、24V高速フアンが全回転でクーリング。
E4. 完成 引き続き24時間エージング。 左は YAMAHA B−2
Y. ユーザー宅の設置状況
Y1. 設置状況.
S. MusicalFidelity A−1. の仕様(マニアル・カタログより)
型式 プリメインアンプ Musical Fidelity A1
定格出力 20W+20W(8Ω)
入力感度/インピーダンス Phono MC= 0.2mV/120Ω
Phono MM= 2mV/47kΩ
CD、Tuner、Aux、Tape= 200mV/47kΩ
RIAA偏差 30Hz〜40kHz ±0.5dB
SN比 Phono MC= 55dB以上
Phono MM= 60dB以上
CD、Tuner、Aux、Tape= 80dB以上
高調波歪率 0.5%未満(8Ω、定格出力時)
消費電力 85W(連続)
外形寸法 幅408×高さ60×奥行249mm
重量 5.5kg
価格 1984年発売、\138,000。 ¥128,000(1990年頃)
               mfa1-k31
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